◉名称、化学構造
一般名:アジスロマイシン水和物
商品名:ジスロマック
◉分類
15員環マクロライド系抗生物質
◉効能・効果
【適応菌種】
アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、 レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、クラミジア属、マイコプラズマ属
【適応症】
深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
◉薬理作用
細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットと結合し、蛋白合成を阻害する
【抗菌作用】
- In vitroにおいて、ブドウ球菌属、レンサ球菌属等のグラム陽性菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、淋菌、プレボテラ属等の一部グラム陰性菌、レジオネラ・ニューモフィラ、ペプトストレプトコッカス属、マイコプラズマ属、クラミジア属に抗菌作用を示し、その作用は他のマクロライド系抗生物質と同程度であった
- In vitro及びin vivo(マウス、ハムスター)において、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等の各種細菌を用いた感染症モデルで、アジスロマイシンの良好な組織移行性を反映し、従来のマクロライド系抗生物質よりも強い防御効果及び治療効果を示した
◉使用する際の注意
- 本剤を使用するにあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認する
- アナフィラキシー・ショックが現れるおそれがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行う
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が疑われる症状[発疹に加え、粘膜(口唇、眼、外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状]があらわれた場合には、服用を中止し、ただちに医師に連絡する
-
意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明する
-
アジスロマイシンは組織内半減期が長いことから、投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので、観察を十分に行うなど注意する
◉相互作用
◉薬物動態学的相互作用の要因
- 制酸剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)との併用により、アジスロマイシンの血中濃度が低下する
- ワルファリンとの併用により、ワルファリンの作用が増強する(機序不明)
- シクロスポリンとの併用により、シクロスポリンの血中濃度が上昇する(機序不明)
- ネルフィナビルとの併用により、アジスロマイシンの血中濃度が上昇する
- ジゴキシンとの併用により、ジギタリス中毒発症のリスクが高まる(機序不明)
- ベネトクラクスの血中濃度が低下する(機序不明)
◉副作用
◉主な副作用
下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、血栓性静脈炎、カンジダ症、発疹、じんましん、かゆみ、アトピー性皮膚炎悪化、光線過敏性反応(光にあたった部分が赤くなる)、紅斑、水疱、皮膚剥離、多形紅斑、寝汗、多汗症、皮膚乾燥、皮膚変色、脱毛など
◉重大な副作用[初期症状]
ショック、アナフィラキシー [呼吸困難、喘鳴(ヒューヒュー音)、顔や唇のむくみ]
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
[紅斑・水疱、びらん、発熱]薬剤性過敏症症候群
[皮ふの広い範囲が赤くなる、高い熱、リンパ節がはれる]肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全
[全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる]急性腎不全
[尿量減少、むくみ、頭痛]偽膜性大腸炎、出血性大腸炎
[腹痛、頻回の下痢、血便]
コメント