76歳女性。夫と息子との3人暮らし。高血圧症、てんかん、統合失調症及び不眠症の治療を行っている。処方1〜3は、以下の時系列記録の1年前から継続している。
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問218(実務)
8月4日に医師から指摘のあった副作用の原因薬物として、可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
- アジルサルタン
- バルプロ酸ナトリウム
- リスペリドン
- ラメルテオン
- レンボレキサント
問219(物理・化学・生物)
この副作用と同じ症状が現れる可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
- 大脳皮質運動野の障害
- 大脳辺縁系の障害
- 大脳基底核の障害
- 視床下部の障害
- 皮質脊髄路の障害
解答・解説
問218 解答:3
問219 解答:3
解説
リスペリドンは、ドパミンD2受容体遮断作用を有しており、大脳基底核に存在する線条体におけるドパミン経路を阻害することで、副作用として、錐体外路障害(よだれ、無動、顔の表情が少なくなる、声が小さくなる、手が震える等)を起こすことがある。また、リスペリドンを腎機能低下患者に投与すると半減期の延長及びAUCの増大が認められる。
8月4日の記録より、よだれが出る、歩行が遅くなる、顔の表情がなくなるなどの症状が現れていることを読み取ることができ、また、8月1日の記録にeGFR 32 mL/min/1.73m2と記録されていることから腎機能が低下していることを読み取ることができる。
これらのことから、腎機能低下により、リスペリドンの半減期の延長及びAUCの増大が現れ、その結果として副作用であるよだれ、歩行が遅くなるなどの症状が現れたと推察される。
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