◉名称、化学構造
一般名:サラゾスルファピリジン
商品名:サラゾピリン
◉分類
潰瘍性大腸炎治療剤
◉効能・効果
- 潰瘍性大腸炎
- 限局性腸炎
- 非特異性大腸炎
◉薬理作用
サラゾスルファピリジンの約3分の1は小腸でそのままの形で吸収されるが、大部分は大腸に運ばれ、そこで腸内細菌の作用をうけて5-アミノサリチル酸とスルファピリジンに分解・吸収される。その治療活性部分は5-アミノサリチル酸であることが明らかにされている。
5-アミノサリチル酸は組織学的に変化の認められる粘膜上皮下の結合組織に対して特異な親和力を示し、この5-アミノサリチル酸の抗炎症作用により効果をあらわすのであろうと推定されている。
◉使用する際の注意
本剤投与開始前には、必ず血液学的検査(白血球分画を含む血液像)、肝機能検査及び腎機能検査を実施する。投与中は、AST、ALTの著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあり、肝不全、劇症肝炎に至るおそれがあるので、臨床症状を十分観察するとともに、定期的に(原則として、投与開始後最初の3ヵ月間は2週間に1回、次の3ヵ月間は4週間に1回、その後は3ヵ月ごとに1回)、血液学的検査及び肝機能検査を行う。また、急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎があらわれることがあるので、腎機能検査についても定期的に行う。
◉相互作用
◉薬物動態学的相互作用の要因
- 本剤はチオプリンメチルトランスフェラーゼを阻害することでアザチオプリン、メルカプトプリンによる骨髄抑制が現れる。
- 本剤によりジゴキシンの血中濃度が低下する(機序不明)。
- 本剤により葉酸の吸収が低下し、葉酸欠乏症(大赤血球症、汎血球減少など)を起こす(機序不明)。
- 本剤によりワルファリンの代謝が阻害され、プロトロンビン時間が延長する。
- 本剤によりスルホニルアミド系経口糖尿病薬の代謝抑制、タンパク結合の置換が起こり、作用が増強される。
◉副作用
◉主な副作用
尿路結石、腫脹、浮腫、血尿、発疹、かゆみ、光線過敏症、血清病、紅斑、顔面潮紅、じんましんなど
◉重大な副作用[初期症状]
再生不良性貧血
[貧血症状(立ちくらみ、頭痛など)、発熱、出血傾向(皮下出血、鼻血など)]中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症型薬疹
[高熱、皮膚が赤くなる、口内炎]間質性肺炎、薬剤性肺炎、PIE症候群、線維性肺胞炎
[発熱、咳・痰、呼吸困難]急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎
[尿量減少、手足や顔のむくみ、けん怠感]ショック、アナフィラキシー
[発疹、血圧低下、呼吸困難]
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