ピタバスタチンカルシウム水和物

◉名称、化学構造

名称：ピタバスタチンカルシウム水和物

◉代表的な製剤

リバロOD錠

◉特徴

• 主にLDLコレステロールを低下させるために用いられ、薬理作用より「HMG-CoA還元酵素阻害薬」に分類される
• HMG-CoA還元酵素阻害薬は、LDLコレステロール低下作用が強い
• HMG-CoA還元酵素阻害薬の中でも薬物相互作用を起こしにくい

◉分類

HMG-CoA還元酵素阻害薬

◉効能・効果

• 高コレステロール血症
  
• 家族性高コレステロール血症

◉薬理作用

• HMG−CoA（3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA）をメバロン酸に変換する酵素であるHMG−CoA還元酵素を阻害し、肝細胞内でのコレステロール合成を抑制する
• LDL受容体の合成を亢進させ、血中からのLDLの取り込みを亢進させる
• 血清HDL上昇作用を示す

◉使用する際の注意

• 肝機能検査を投与開始より12週までの間に1回以上、それ以降は定期的に行う
• 投与中は血中脂質値を定期的に確認し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止する
• 副作用として、横紋筋融解症が報告されているため、横紋筋融解症が現れやすい患者（甲状腺機能低下症、遺伝性の筋疾患または家族歴がある患者、薬剤性の筋障害のある患者、アルコール中毒の患者）に使用する際は特に注意する必要がある
• 横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害患者である。また、横紋筋融解症により急激に腎機能が低下することがある
• 妊婦、授乳婦には投与しない

◉相互作用

• シクロスポリン（併用禁忌）
  本剤の血中濃度が上昇する
• フィブラート系薬、ニコチン酸
  急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症が現れることがある
• コレスチラミン
  同時服用により、本剤の吸収が低下する
• エリスロマイシン、リファンピシン
  本剤の肝臓への取り込みが阻害される

◉副作用

◉主な副作用
発疹、かゆみ、吐き気、胃不快感、筋肉痛、脱力感、頭痛・頭重感、しびれ、めまい、貧血、倦怠感などが報告されています

◉重大な副作用［初期症状］

横紋筋融解症
［筋肉痛、脱力感、赤褐色の尿］

ミオパチー、免疫介在性壊死性ミオパチー
［筋肉のこわばり、痛み、筋力の低下 ］

肝機能障害、黄疸
［全身倦怠感、吐き気、皮膚や白目が黄色くなる ］

血小板減少
［鼻血、歯ぐきの出血、手足などの皮下出血 ］

間質性肺炎
［発熱、咳、呼吸困難］