◉名称、化学構造
名称:クアゼパム
◉代表的な製剤
ドラール錠
◉特徴
- 1位にトリフルオロエチル基を有するベンゾジアゼピン系薬で中・長時間型薬剤に分類される睡眠障害改善薬である
- 同類薬の中では、作用時間が長い(半減期:36.6時間)
◉分類
ベンゾジアゼピン系睡眠薬
◉効能・効果
- 不眠症
- 麻酔前投薬
◉薬理作用
GABAA受容体のベンゾジアゼピン系ω1受容体に作用することで睡眠障害の各種症状(熟眠障害、中途覚醒、早朝覚醒)に効果を示す
◉使用する際の注意
- 食後服用を控える
難溶性薬物であり、胃内容物の残留により吸収性が向上し、未変化体およびその代謝物の血漿中濃度が2〜3倍に上昇することが報告されている - 本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・ 反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させない よう注意すること
- 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること
本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分 に検討すること
◉相互作用
- 食べ物
本剤の血中濃度が上昇する - CYP3A4代謝阻害薬
本剤の代謝が抑制され血中濃度が上昇する - アルコール、中枢抑制薬
中枢抑制作用が増強することがある
◉副作用
◉主な副作用
眠気・傾眠、浮動性めまい、ふらつき、吐き気、頭重感、けん怠感などが報告されている
◉重大な副作用[初期症状]
依存性
[薬への欲求が抑えられない、(中止などにより)けいれん・不眠・不安 ]
刺激興奮、錯乱
[意識が乱れ正常な思考ができない、考えがまとまらない、時間や場所がわからない ]
呼吸抑制、炭酸ガスナルコーシス
[呼吸が浅く速くなる、息切れ、意識障害 ]
精神症状(幻覚、妄想など)、意識障害、思考異常、ぼっ起障害、興奮、運動失調、運動機能低下、錯乱、協調異常、言語障害、振戦
[実際には存在しないものが見えたり聞こえたりする、興奮しやすい、運動や話すことがうまくできない ]
一過性前向性健忘、もうろう状態
[入眠前・中途覚せい時の出来事を思い出せない、もうろうとする ]
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