アドレナリン(別名:エピネフリン、化学式 C₉H₁₃NO₃)は、副腎髄質で生成されるホルモンおよび神経伝達物質である。急激なストレスや危機的状況に応じて分泌され、体を緊急の行動に備えさせる。
生理的役割
- 循環器系への影響:
- 心拍数を増加させ、心筋収縮力を高めることで、血液をより効率的に全身に送り出す。
- 血圧を上昇させる作用がある。特に、皮膚や消化管などの血管を収縮させる一方で、骨格筋や心臓の血管を拡張させ、血液供給を増加させる。
- 代謝への影響:
- 肝臓や筋肉のグリコーゲンを分解してグルコースを放出(グリコーゲン分解促進)し、血糖値を上昇させる。
- 脂肪細胞で脂肪の分解を促進し、脂肪酸をエネルギー源として利用可能にする。
- 気道の拡張:
- 気管支の平滑筋を弛緩させ、呼吸をしやすくすることで酸素供給を増加させる。
- 中枢神経系への影響:
- 覚醒度や注意力を高め、危機的状況での反応速度を向上させる。
アドレナリンの分泌
アドレナリンの分泌は、以下のような状況で促進される:
- 強いストレス(心理的または物理的)
- 恐怖や危険を感じたとき
- 運動や激しい身体活動
- 低血糖状態(血糖値が下がると補償的に分泌されます)
アドレナリンの分泌は、自律神経系の一部である交感神経によって制御される。
医学的利用
- アドレナリン注射:
- アナフィラキシーショック(重度のアレルギー反応)における緊急治療薬として使用される。気道の閉塞を防ぎ、血圧を安定させる。
- 心停止時の救命措置(心肺蘇生)で使用されることがある。
- 局所麻酔の補助:
- 局所麻酔薬に少量のアドレナリンを添加することで、血管を収縮させ、麻酔薬の効果を持続させる目的で用いられる。
アドレナリンの過剰
- 過剰な分泌:
- 過度のストレスや危機的状況が続くと、アドレナリンの分泌が慢性的に増加し、不安感や高血圧、動悸を引き起こす可能性がある。
- 褐色細胞腫(副腎髄質の腫瘍)により、アドレナリンが過剰に分泌される場合がある。





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