電磁波は、電場と磁場が互いに直交しながら波として伝わる現象である。真空中を光速で進み、エネルギーを運ぶ波動の一種である。電磁波には、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線などが存在する。
1. 電磁波の基本構造
- 電場と磁場の振動:
- 電磁波は、電場と磁場が互いに直交(90度)して振動し、それらが進行方向とも直交する波である。
- 波動の性質:
- 電磁波は、媒質がなくても伝わることが可能である(例: 真空中でも進む)。
2. 電磁波のスペクトル
電磁波は波長や周波数の違いによって分類され、これを電磁スペクトルと呼びます。以下のように分類されます。
| 種類 | 波長範囲 | 主な特徴と例 |
|---|---|---|
| ラジオ波 |
|
無線通信、テレビ放送、ラジオなど。 |
| マイクロ波 |
|
電子レンジ、Wi-Fi、レーダー。 |
| 赤外線 |
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暖房機器、リモコン、熱放射。 |
| 可視光線 |
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人間の目で見える光(赤~紫)。 |
| 紫外線 |
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日焼け、殺菌ランプ。 |
| X線 |
|
医療診断、非破壊検査。 |
| ガンマ線 |
|
放射性崩壊、高エネルギー現象。 |
3. 電磁波の性質
3.1 周波数と波長
- 電磁波の周波数と波長
の関係は以下の式で表されます光速=周波数×波長c
3.2 エネルギー
- 電磁波のエネルギー=プランク定数×波長
3.3 伝搬
- 電磁波は媒質がなくても伝搬する(真空中でも進行可能)。
- 光速は媒質中では遅くなり、屈折や反射が生じる。
4. 電磁波の発生
電磁波は以下のような現象で発生します:
- 電荷の加速運動: 加速する電荷が電場と磁場を生成。
- 電子のエネルギー遷移: 原子や分子の内部で、電子がエネルギー準位を移動するときに放出。
- 核反応: 放射性崩壊や核融合、核分裂。
5. 電磁波の利用例
5.1 通信
- ラジオ波やマイクロ波を用いた無線通信(Wi-Fi、テレビ、携帯電話)。
5.2 医療
- X線撮影や放射線治療、赤外線を用いた治療。
5.3 科学研究
- 天文学での観測(電波天文学、ガンマ線天文学など)。
- 分光法による物質の構造解析。
6. 電磁波と人体への影響
- 低エネルギー電磁波(ラジオ波、可視光線など)は安全性が高い。
- 高エネルギー電磁波(紫外線、X線、ガンマ線など)は、細胞やDNAを損傷し、発がんリスクを高める可能性がある。




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