65歳女性。咳と痰がひどいため近医を受診。保険薬局で薬剤師が以下の処方せんを受け付け、お薬手帳を確認し処方監査を行った。
問246 (実務)
お薬手帳には以下の薬剤が記載されていた。この中で上記処方と併用した場合、処方医に対し、疑義照会の対象になる薬剤はどれか。2つ選べ。
- モンテルカストナトリウム錠
- フルボキサミンマレイン酸塩錠
- 八味地黄丸エキス顆粒
- 葛根湯エキス顆粒
- ガスター10(ファモチジンを含有する一般用医薬品)
解答・解説
解答
2、4
解説
選択肢のうち、上記処方と相互作用を起こす薬物は、フルボキサミンマレイン酸塩(選択肢2)と葛根湯エキス顆粒(選択肢4)である。
・フルボキサミンマレイン酸塩錠はCYP1A2阻害作用を有している。本剤とテオフィリンと併用すると、テオフィリンの代謝が阻害されるため、両剤は併用注意の組合せである。
・葛根湯の構成生薬であるマオウは、中枢興奮作用を有している。本剤とテオフィリンと併用すると中枢興奮作用が増強されることがあるため、両剤は併用注意の組合せである。
問247 (薬理)
処方された薬剤及びお薬手帳に記載されていた薬剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- テオフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害し、気管支拡張作用を示す。
- ブデソニドは、細胞膜に発現する特定の1回膜貫通型受容体に結合することで炎症メディエーターの産生を抑制する。
- アンブロキソールは、肺サーファクタントの産生を促進し、去痰作用を示す。
- モンテルカストは、5−リポキシゲナーゼを阻害することでロイコトリエンの産生を抑制する。
解答・解説
解答
1、3
解説
1 正
テオフィリンは、気管支平滑筋細胞内でホスホジエステラーゼを阻害し、サイクリックAMP濃度を上昇させ、気管支拡張作用を示す。
2 誤
ブデソニドは副腎皮質ステロイド性薬であり、細胞質にある受容体に結合した後、核内へと移行し、遺伝子の転写を調節することにより炎症メディエーターの産生を抑制する。
3 正
アンブロキソールは、ブロムヘキシンの活性代謝物であり、肺サーファクタントの産生を促進し、去痰作用を示す。
4 誤
モンテルカストは、ロイコトリエン受容体を遮断することにより、ロイコトリエンによる気管支収縮等を抑制する。
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