メトキシベンゼン(アニソール)Aの一般的な合成法を以下に示した。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- SN2機構で進行する。
- カルボカチオン中間体を経由して進行する。
- ヨードメタン(C)の代わりにCH3SO3CH3を利用することができる。
- プロトン性極性溶媒を使用すると反応が速く進行する。
- Aは、DとEから合成することも可能である。

メトキシベンゼン(アニソール)Aの一般的な合成法を以下に示した。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
1、3
解説
本合成法は、ウィリアムソン(Williamson)のエーテル合成法である。本合成法では、立体障害の小さいハロゲン化アルキルに対してナトリウム塩を求核的に攻撃させることによりエーテル合成を行う。
1 正
本反応は、立体障害の小さいヨードメタン(C)に対してナトリウムフェノキシド(B)のマイナスイオンを求核的に攻撃させることにより進行するため、SN2機構で進行する。
2 誤
本反応はSN2反応であり、カルボカチオン中間体を経由しない一段階反応である。なお、カルボカチオン中間体を経由して進行するのはSN1反応である。
3 正
ヨードメタンのヨウ素は比較的安定なアニオンとして脱離しやすいため、本反応が進行する。CH3SO3CH3を利用した場合においても、CH3SO3-が比較的安定なアニオンとして脱離しやすいため、本反応は進行する。
4 誤
プロトン性極性溶媒を使用すると、溶媒中のH+(プロトン)と塩基である求核試薬が中和するため反応が妨げられる。
5 誤
ブロモベンゼン(D)は、求電子置換反応が進行しやすく、求置換反応は進行しにくいため、ナトリウムメトキシド(E)のメトキシドイオンによる求核置換反応でエーテルを合成することはできない。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 第99回 問103 […]