X線回折法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- X線源のターゲット(対陰極)には、CuやMoが用いられる。
- 測定には、連続X線が通常用いられる。
- X線結晶構造解析では、回折斑点の強度から結晶の格子定数が求められる。
- 粉末X線回折法では、結晶構造に基づいた同心円状の回折像が得られる。
- X線を結晶に照射すると、主にその物質中の原子核の強制振動が起こり、散乱X線が生じる。
X線回折法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
1、4
解説
1 正
本法におけるX線源にはX線管球が用いられる。X線管球では、管球内で加熱された陰極から出た熱電子を電場により加速し、ターゲット(対陰極)に照射することでX線を発生させる。本法で用いるX線を発生させる場合には、対陰極の金属にCuやMoが用いられる。
2 誤
本法の測定においては、通常、特性X線が用いられる。
特性X線(固有X線)とは、対陰極に用いた金属に固有の波長を有するX線のことである。
3 誤
X線結晶構造解析では、回折斑点の強度から結晶の電子密度が求められる。なお、X線結晶構造解析において、結晶の格子定数は、回折斑点の間隔より求めることが可能である。
4 正
粉末X線回折法では、試料にX線を照射するとあらゆる方向に回折X線を生じることから結晶構造に基づいた同心円状の回折像が得られる。
5 誤
X線を結晶に照射すると、主にその物質中の電子の強制振動が起こり、散乱X線が生じる。
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