第98回薬剤師国家試験 問252〜253

糖尿病患者が以下の処方せんを持って保険薬局に来局した。なお、この薬局には初めての来局である。

(処方1)
ボグリボース錠0.2 mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食直前 30日分
(処方2)
シタグリプチンリン酸塩水和物錠50 mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 30日分

問252 (薬理)
処方されたこれらの薬剤の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。

 α-アミラーゼを競合的に阻害し、食後高血糖を抑制する。
 ATP感受性Kチャネルを遮断し、膵β細胞を脱分極させる。
 ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害し、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分解を抑制する。
 GLP-1受容体を直接刺激し、血糖値を低下させる。
 グルカゴンの分泌を抑制し、血糖値の上昇を抑制する。

 

 

 

 


解説

ボグリボースはα−グルコシダーゼ阻害薬であり、α−グルコシダーゼを競合的に阻害し、二糖から単糖への分解を抑制する。
シタグリプチンリン酸塩はジペプチジルペプチターゼ−4(DPP−4)阻害薬であり、DPP−4を阻害することによりインクレチン(グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、グルコース依存性インスリン分泌刺激ペプチド(GIP))の分解を抑制し、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進するとともに、グルカゴン分泌を抑制する。
1 誤
前記参照
2 誤
ATP感受性Kチャネルを遮断し、膵β細胞を脱分極させる薬物は、スルホニル尿素(SU)剤(トルブタミド、グリベンクラミドなど)である。
3 正
前記参照
4 誤
GLP-1受容体を直接刺激し、血糖値を低下させる薬物は、GLP−1アナログ製剤(リラグルチド、エキセナチドなど)である。
5 正
前記参照


解答

3、5


問253 (実務)
この患者への服薬指導時の対応として、適切でないのはどれか。2つ選べ。

 ボグリボースは、インスリンの分泌を促進すると説明する。
 ボグリボースの副作用として、腹部膨満、放屁が増加することを説明する。
 シタグリプチンは、血糖値をコントロールするホルモンであるインクレチンの作用を増強し、血糖値を下げると説明する。
 低血糖の症状が現れた場合、砂糖水を飲むように説明する。
 腎臓の働きが悪いと言われたことがあるかどうか確認する。

 

 

 


解説

1 不適切
ボグリボースはインスリン分泌促進作用を有しない。
2 適切
ボグリボースは副作用として腹部膨満、放屁増加等を起こすことがある。
3 適切
シタグリプチンは、インクレチンを分解する酵素を阻害することによりインクレチンの作用を増強し、血糖値を下げる。
4 不適切
α−グルコシダーゼを阻害すると、二糖を単糖に分解することができないため、ボグリボースなどのα−グルコシダーゼ阻害薬服用中に低血糖症状が現れた場合、砂糖水を服用しても低血糖症状は改善しない。よって、ボグリボースなどのα−グルコシダーゼ阻害薬服用中に低血糖症状が現れた場合、ブドウ糖を摂取する必要がある。
5 適切
シタグリプチンは腎機能障害患者に投与禁忌とされており、ボグリボースは腎機能障害患者に慎重投与とされているため、設問の処方内容の場合、腎機能について確認する必要がある。
*注意*
シタグリプチンについては、2013年8月に重度の腎機能障害患者への投与が禁忌から慎重投与に変更されている。


解答

1、4

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