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第98回薬剤師国家試験 問126(理論問題) 疫学調査

以下の疫学調査に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
イタイイタイ病は富山県神通川地域に発生し、1968(昭和43)年に公害病として認定された疾患である。図1はその当時の神通川地域のカドミウム汚染地域と汚染の程度、図2はその当時の50歳以上女子人口のイタイイタイ病有病率を示したものである。

  1. 患者発生地域と汚染地域が一致するために、カドミウムを原因とする仮説が立つ。
  2. この調査は、介入研究である。
  3. この調査は、症例対照研究である。
  4. この調査では、交絡因子に関する情報は得られない。
  5. この結果からオッズ比を求めることができる。

解答・解説

解答
1、4

解説
図1には「水田土壌上層のカドミウムの分布」図2には「50歳以上女子人口のイタイイタイ病有病率(%)」が記載されており、本問では、記載された図1、図2より仮説をたてていることから、この問題における疫学調査は記述疫学に該当する。

1 正
調査結果から、カドミウム汚染地域と患者発生地域はほぼ一致していることから、イタイイタイ病の原因は、カドミウムであるという仮説が成り立つ。

2 誤
この調査は、記述疫学である。介入研究とは、疾病と因果関係がありそうな要因を人為的に除去あるいは適用し、調査を行うことである。

3 誤
この調査は、記述疫学である。症例対照研究とは、ある疾患をもつ患者群ともたない対照群について疾病の原因となると思われる要因に過去に曝露されていたかどうかを比較する研究で、オッズ比を求めることにより、研究の対象となる要因と疾患の因果関係を推定することができる。

4 正
交絡因子とは、調べようとする要因以外に調査結果に影響する別の因子のことであり、この調査では、カドミウムとイタイイタイ病有病率以外のことは不明であるため、交絡因子に関する情報は得られない。

5 誤
本問の調査は、記述疫学であるためオッズ比を求めることはできない。

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