62歳男性。高血圧症。冠動脈疾患治療のため、2年前に経皮的冠動脈形成術を受け、薬物を服用していた。その後、症状悪化のため、開胸心臓手術の適応となり手術目的で入院した。
問294 (病態・薬物治療)
以下の薬物のうち、手術前に出血予防のため休薬期間を要し、さらにCYP2C19遺伝子多型により体内動態が影響を受ける薬物はどれか。1つ選べ。
- マニジピン塩酸塩
- アスピリン
- アテノロール
- テルミサルタン
- クロピドグレル硫酸塩
解答・解説
解答
5
解説
選択肢の薬物のうち、手術前に出血予防のため休薬期間を要し、さらにCYP2C19遺伝子多型により体内動態が影響を受ける薬物はクロピドグレル硫酸塩である。クロピドグレル硫酸塩は、血小板凝集抑制であり、手術前に出血予防のため7〜14日間休薬する必要がある。また、クロピドグレル硫酸塩は、主にCYP2C19で代謝され、活性代謝物となり、血小板凝集抑制作用を示すため、CYP2C19遺伝子多型により体内動態に影響が現れる薬物である。
問295 (実務)
この患者(体重50 kg)の手術時の血圧コントロールのために、ニトログリセリン注25 mg/50 mL瓶を輸液ポンプを用いて、4 µg/kg/分の速度で点滴静注する予定である。この注射剤1瓶で投与可能な最大時間として、最も近いのはどれか。1つ選べ。
- 30分
- 60分
- 90分
- 120分
- 240分
解答・解説
解答
4
解説
設問に「輸液ポンプを用いて4 µg/kg/分の速度で点滴静注する。」とあることから、本患者(体重50 kg)への投与速度は、4 µg/kg/分×50 kg=200 µg/分=0.2 mg/分の速度となる。
このことから、注射剤1瓶(25 mg/50 mL)で投与可能な最大時間は以下のように求められる。
25 mg÷0.2 mg/分=125分