85歳女性。ひとり暮らし。交付された処方せんを、保険薬局に持参した。

問252 (実務)
処方せん受付時に患者から、最近、薬の飲み忘れと飲み間違いが多いとの訴えがあった。なお、このことは医師に話していないということであった。薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- お薬カレンダーを利用するなど、飲み忘れを防ぐ方法を指導した。
- 処方医には問い合わせず、アトルバスタチンカルシウム水和物とアムロジピンベシル酸塩の配合剤で調剤した。
- 飲み忘れた時は、翌日に2回分を飲むよう指導した。
- 処方医に上記の件を報告し、一包化を提案した。
解答・解説
解答
1、4
解説
1 正
お薬カレンダーとは、決められた時間に飲まなければならない薬を曜日毎に朝・昼・晩などと整理して収納できるカレンダーのことである。飲み忘れ防止の方法として、お薬カレンダーの利用を提案するのは適切である。
2 誤
配合剤に変更することは、処方変更に該当するため、処方医に問い合わせる必要がある。
3 誤
飲み忘れた時に、2回分を一度に服用すると副作用が現れやすくなるため、2回分を一度に服用すべきではない。
4 正
薬の飲み忘れと飲み間違いが多いとの訴えがあった場合には、飲み忘れ防止の対策として一包化を提案することは適切である。
問253 (薬理)
この処方により経過を見たところ、低K+血症が認められた。その原因となった薬剤の作用機序はどれか。1つ選べ。
- 上皮性Na+チャネル遮断
- 炭酸脱水酵素阻害
- 腎集合管における水の再吸収抑制
- Na+−K+交換系抑制
- Na+−K+-2CI-共輸送系抑制
解答・解説
解答
5
解説
処方されている薬物の中で、低K+血症を認める可能性が高いのはループ利尿薬のフロセミドである。フロセミドは、ヘンレ係蹄上行脚においてNa+-K+-2Cl-共輸送系を抑制することで、利尿作用を示す。また、尿中Na+を増加により、遠位尿細管後半部から集合管におけるNa+とK+の交換機構を介したNa+再吸収とK+分泌機構を亢進させ、K+の尿中排泄を促進し低K+血症を引き起こす。