脂質異常症の患者。スタチン系薬単剤で治療を続けるも低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)がコントロール不良であり、主治医はコレスチミド錠を処方に追加した。
問196 (実務)
医師よりコレスチミド錠に関する問い合わせがあった場合に、情報提供として適切なのはどれか。2つ選べ。
- 十分量の温水にて服用させるように伝える。
- 胆道が完全閉塞している患者には禁忌であることを伝える。
- 腸管からは吸収されないことを説明する。
- 腎機能が低下した患者には用量調節が必要であることを伝える。
- トリグリセリド値も低下させる作用があることを説明する。
解答・解説
解答
2、3
解説
1 誤
コレスチミド錠は、温水にて服用すると口腔内で膨らんで服用しにくくなることがあるため、常温の水又は冷水で服用するように伝える。
2 正
コレスチミドの血清コレステロール低下作用は、腸管から吸収されることなく、主に腸管内で胆汁酸と結合してその糞中排泄量を増大させることにより発現するため、胆道完全に閉塞している患者では効果が期待できない。よって、コレスチミド錠は、胆道が完全閉鎖している患者に禁忌である。
3 正
解説2参照
4 誤
コレスチミドは、腸管から吸収されることなく糞中に排泄される。そのため、腎機能が低下した患者にコレスチミドを投与する際、投与量を調節する必要はない。
5 誤
コレスチミド錠は、トリグリセリド値を低下させる作用はない。
問197 (物理・化学・生物)
その後、この患者は、ワルファリンカリウム錠の投与が必要となった。ワルファリンはコレスチミドと併用すると吸収が阻害されることがある。その主な物理化学的要因はどれか。1つ選べ。
- 共有結合
- 水素結合
- 配位結合
- 疎水結合
- イオン結合
解答・解説
解答
5
解説
コレスチミドは、陰イオン交換樹脂であり、ワルファリンやプラバスタチンなどの陰イオン性薬物とイオン結合し、これらの消化管吸収を阻害する。