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第97回薬剤師国家試験 問151 細胞膜受容体の情報伝達系

細胞膜受容体の情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 平滑筋のGsタンパク質共役型受容体が刺激されると、小胞体からのCa2遊離が促進される。
  2. 心筋のGiタンパク質共役型受容体が刺激されると、Kの細胞外流出が抑制される。
  3. 血管内皮細胞のアセチルコリンM3受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介して一酸化窒素合成酵素が阻害される。
  4. 腎臓のナトリウム利尿ペプチド受容体が刺激されると、チロシンキナーゼの活性化による自己リン酸化が起こる。
  5. 脊髄のグリシン受容体が刺激されると、Clの透過性が亢進する。

解答・解説

解答
5

解説
1 誤

平滑筋のGsタンパク質共役型受容体が刺激されると、アデニル酸シクラーゼが活性化され、細胞内cAMP量が増加する。それにより、筋小胞体からのCa2の放出が抑制される。

2 誤
心筋のGiタンパク質共役型受容体が刺激されると、Kチャネルが活性化され、Kの細胞外への流出が促進される。それにより、心筋細胞膜が過分極することで心機能が抑制される。

3 誤
血管内皮細胞のムスカリンM3受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介して一酸化窒素(NO)合成酵素が活性化される。それにより、NO産生が亢進することで血管平滑筋が弛緩する。

4 誤
腎臓のナトリウム利尿ペプチド受容体が刺激されると、受容体内のグアニル酸シクラーゼが活性化され、cGMP産生が亢進する。

5 正
脊髄のグリシン受容体が刺激されると、グリシン受容体に内蔵されているClチャネルが開口し、Clの透過性が亢進する。

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