細胞膜受容体の情報伝達系に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 平滑筋のGsタンパク質共役型受容体が刺激されると、小胞体からのCa2+遊離が促進される。
- 心筋のGiタンパク質共役型受容体が刺激されると、K+の細胞外流出が抑制される。
- 血管内皮細胞のアセチルコリンM3受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介して一酸化窒素合成酵素が阻害される。
- 腎臓のナトリウム利尿ペプチド受容体が刺激されると、チロシンキナーゼの活性化による自己リン酸化が起こる。
- 脊髄のグリシン受容体が刺激されると、Cl-の透過性が亢進する。
解答・解説
解答
5
解説
1 誤
平滑筋のGsタンパク質共役型受容体が刺激されると、アデニル酸シクラーゼが活性化され、細胞内cAMP量が増加する。それにより、筋小胞体からのCa2+の放出が抑制される。
2 誤
心筋のGiタンパク質共役型受容体が刺激されると、K+チャネルが活性化され、K+の細胞外への流出が促進される。それにより、心筋細胞膜が過分極することで心機能が抑制される。
3 誤
血管内皮細胞のムスカリンM3受容体が刺激されると、Gqタンパク質を介して一酸化窒素(NO)合成酵素が活性化される。それにより、NO産生が亢進することで血管平滑筋が弛緩する。
4 誤
腎臓のナトリウム利尿ペプチド受容体が刺激されると、受容体内のグアニル酸シクラーゼが活性化され、cGMP産生が亢進する。
5 正
脊髄のグリシン受容体が刺激されると、グリシン受容体に内蔵されているCl-チャネルが開口し、Cl-の透過性が亢進する。