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第97回薬剤師国家試験 問107

2つの5員環化合物(A、B)から図に示す反応を以下の操作手順で行った。この反応に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

【実験操作】
100 mLの丸底フラスコにB(60 mmo1)を入れ、無水ベンゼン(50 mL)に溶かす。これを約5℃に冷却し、A(66 mmo1)の無水ベンゼン(5mL)溶液を5分間で滴下する。室温で10分間撹拌後、さらに10分間加熱還流させると、化合物CとD の生成を確認した。
放冷後、石油エーテル(約30 mL)をゆっくりと加え、冷却すると、生成物Cが析出した。

  1. この反応はディールス・アルダー反応とよばれる。
  2. この反応はエンド則に従い、主にCを生じる。
  3. Aからヒドリドがとれて生じる化合物は芳香族性を示す。
  4. Bの名称は無水フタル酸である。
  5. Cを単離するには、ひだつきろ紙を用いて吸引ろ過するのが最も適している。

解答・解説

解答
1、2

解説
1 :正

本反応は、A(シクロペンタ−1,3−ジエン(4π電子系))とB(無水マレイン酸(2π電子系))の
[4+2]付加反応であり、ディールス・アルダー反応とよばれる。

2 :正
本反応のようにジエン又はジエノフィルが共に環状構造である場合、ディールス・アルダー反応では、エンド則に従い、エンド付加物 C が優先的に生成する。

3 :誤
Aからヒドリド(H−)がとれて生成するシクロペンタジエンは、芳香族性を示さない。

なお、A からプロトン(H+)がとれて生成するシクロペンタジエニルアニオンは、芳香族性を示す。

4 :誤
Bの名称は無水マレイン酸である。なお、無水フタル酸は以下のような構造をしている。

5 :誤
吸引ろ過を行う場合、ろ紙ロートに密着させる必要があるため、ろ紙をひだ状にせず用いる必要がある。

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