次の記述は、X線造影剤として用いられる日本薬局方アミドトリゾ酸(C11H9I3N2O4:613.91)の純度試験と定量法に関するものである。
純度試験
芳香族第一アミン 本品0.20gをとり、水5mL及び水酸化ナトリウム試液1mLを加えて溶かし、亜硝酸ナトリウム溶液(1→100)4mL及び1mol/L塩酸試液10mLを加えて振り混ぜ、2分間放置する。次にアミド硫酸アンモニウム試液5mLを加えてよく振り混ぜ、1分間放置した後、1-ナフトールのエタノール(95)溶液(1→10)0.4 mL、水酸化ナトリウム試液 15 mL 及び水を加えて正確に 50 mL とする。この液につき、同様に操作して得た空試験法を対照とし、紫外可視吸光度測定により試験を行うとき、波長485nmにおける吸光度は0.15以下である。
定量法
本品約0.5gを精密に量り、けん化フラスコに入れ、水酸化ナトリウム試液40mLに溶かし、亜鉛粉末1gを加え、還流冷却器を付けて30分間煮沸し、冷後、ろ過する。フラスコ及びろ紙を水50mLで洗い、洗液は先のろ液に合わせる。この液に酢酸(100)5mLを加え、ア0.1 mol/L 硝酸銀液で滴定する(指示薬:イテトラブロモフェノールフタレインエチルエステル試液1 mL)。ただし、滴定の終点は沈殿の黄色が「 ウ 」に変わるときとする。
0.1 mol/L 硝酸銀液 1 mL =「 エ 」mg C11H9I3N2O4
問97
純度試験の操作を行って得られる芳香族第一アミンの許容限度に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、芳香族第一アミンの本操作による呈色物の比吸光度E1%1cm(485nm)は475、層長は1cmとする。
- 0.040%
- 0.079%
- 0.16%
- 0.79%
- 1.58%
問98
定量法に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 本定量法の原理は、Volhard法に基づいている。
- 下線部アの標準液は、0.1mol/Lチオシアン酸アンモニウム液の標定に用いられる。
- 下線部イの指示薬の代わりにフルオレセインナトリウムを用いることができる。
- 「ウ」に入る色は、橙色である。
- 「エ」に入る数字は、20.46である。
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