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第110回薬剤師国家試験 問167

抗悪性腫瘍薬に関する記述として、正しいのはどれか。2選べ。

  1. オキサリプラチンは、がん細胞のDNA鎖内及び鎖間に架橋を形成して、DNAの複製及び転写を阻害する。
  2. パクリタキセルは、微小管の重合を阻害して、紡錘系の機能を抑制する。
  3. イリノテカンは、体内で活性代謝物に変化し、トポイソメラーゼI活性を阻害して、切断された一本鎖DNAの再結合を抑制する。
  4. ニボルマブは、T細胞上のPD-1に結合し、PD-1PD-L1及びPD-L2の結合を阻害して、T細胞の活性化を抑制する。
  5. ラムシルマブは、上皮増殖因子受容体(EGFR)に結合し、EGFの作用を抑制して、腫瘍血管新生を抑制する。
解答・解説

解答
13

解説
1 正
オキサリプラチンは、白金製剤であり、がん細胞のDNA鎖に架橋を形成することによりDNAの複製及び転写を阻害する。

2 誤
パクリタキセルは、微小管阻害薬であり、チュブリンの脱重合を阻害(チュブリンの重合を促進)し、微小管を安定化させ、紡錘糸機能を障害する。

3 正
イリノテカンは、トポイソメラーゼⅠ阻害薬であり、カルボキシルエステラーゼにより活性代謝物SN38となり、トポイソメラーゼⅠを阻害し、切断された一本鎖DNAの再結合を抑制する。

4 誤
ニボルマブは、免疫チェックポイント阻害薬であり、T細胞上のPD-1に結合し、PD-1PD-L1及びPD-L2の結合を阻害して、T細胞の活性化を促進する。

5 誤
ラムシルマブは、抗VEGFR抗体製剤であり、VEGFR–2に結合し、VEGFAVEGFCVEGFDのVEGFR–2への結合を阻害し、血管新生を抑制する。

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