下図はアコニチンの構造を示している。これを主要成分として含有する生薬Aに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- アコニチンの骨格は、酢酸–マロン酸経路により生合成される。
- アコニチンの窒素原子は、アミノ酸由来ではない。
- 高圧蒸気処理などの修治によってアコニチンのエステルが加水分解されて、毒性が低減する。
- 生薬Aはナス科植物の根を基原とする。
- 生薬Aを含む処方は、体力が充実している患者に適応される。
下図はアコニチンの構造を示している。これを主要成分として含有する生薬Aに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
2、3
解説
アコニチンは、ブシ(附子)に含まれるジテルペンアルカロイドであり、強い毒性と中枢神経・循環系への作用を有する成分である。
1 誤
アコニチンは、ジテルペンアルカロイドであり、その骨格はイソプレノイド経路により生合成される。
2 正
アコニチンの窒素は、アミノ酸由来ではなく、アンモニアから導入される。
3 正
ブシはそのままだと毒性が非常に強いため、修治(しゅうじ)という加工処理を行う。
具体的には、高圧蒸気処理によりアコニチンのエステル結合が加水分解され、アコニンへと変化し、毒性が大きく減弱する。
4 誤
生薬A(ブシ)はナス科ではなく、キンポウゲ科植物(ハナトリカブト又はオクトリカブト)の塊根を加工して得られる。
5 誤
ブシは、体力が低下した患者に適応され、冷えや慢性的な疼痛などの改善に用いられる。なお、体力が充実している患者への使用は、基本的には推奨されない。
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