質量数は変わらず原子番号が1増加した娘核種が生成するのはどれか。1つ選べ。
- α壊変
- β-壊変
- β+壊変
- 軌道電子捕獲
- 核異性体転移
解答・解説
解答
2
解説
- α壊変は、質量数の大きな核種(222Rn、226Ra、238Uなど)が、安定な核種になるために、陽子2個と中性子2個からなるα粒子(He原子核)を放出する壊変である。α壊変の結果、原子番号は2減少、質量数は4減少する。
- β-壊変は中性子過剰の核種(3H、14C、90Srなど)が、中性子1個を陽子1個に変換する際、β-粒子(陰電子)を放出する壊変である。β-壊変の結果、原子番号は1増加し、質量数は変化しない。
- β+壊変は陽子過剰の核種(11C、15O、18Fなど)が、陽子1個を中性子1個に変換する際、β+粒子(陽電子)を放出する壊変である。β+壊変の結果、原子番号は1減少し、質量数は変化しない。
- 軌道電子捕獲は、陽子過剰の原子核内の陽子1個が陰電子1個を捕獲して、中性子1個に変換する壊変である。軌道電子捕獲の結果、原子番号は1減少し、質量数は変化しない。
- 核異性体転移は、γ転移の一種であり、α、β壊変後に娘核種の励起状態が長く保たれた状態(準安定状態)の場合、余分なエネルギーを原子核内からγ線(波長の短い電磁波)として放出し基底状態(安定)に転移することである。核異性体転移は、電磁波が放出されるだけであるため、原子番号も質量数も変化しない。
コメント