86歳男性。76歳時に妻と死別し独居中であるが、近所に住む娘が介護にあたってきた。死別5年後の81歳の頃から、徐々に物忘れが出現し、時々つじつまが合わない発言があったが放置していた。84歳頃より、物忘れがひどくなり、一人になると不安感が強くなった。娘の姿が見えないと、すぐに名前を呼び、片時も離れられない状況になったため、物忘れ外来を受診した。来院時、新しいことが覚えられず、取り繕うような話し方であった。尿失禁や歩行障害はなし。長谷川式簡易知能評価(HDS-R)は30点満点中18点であった。頭部CTで海馬の萎縮を指摘されたが、梗塞巣所見はなく、血液検査も異常はなかった。また、この男性は不整脈に対して服薬もしており、骨粗しょう症の治療のため3年前から昨年までの24ヶ月間テリパラチド皮下注キットによる治療を実施された。
問286(病態・薬物治療)
この患者の経過及び処方から考えられる疾患はどれか。2つ選べ。
- 心房細動
- 心室性期外収縮
- アルツハイマー型認知症
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
問287(実務)
男性は、次第に歩行が拙劣になり、夜間にトイレでつまづいて転倒し、腰椎圧迫骨折と診断された。痛みのため歩行や長時間の起き上がりは困難でありベッド上の生活となった。ヘルパーの介助を受け服薬しているが、ヘルパーのいない起床時の薬は自分でほぼ服用できていない。
この状況を踏まえて、在宅医療サービス担当者会議が開催された。
この患者に追加する治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
- メナテトレノンカプセル
- ラロキシフェン塩酸塩錠
- デノスマブ(遺伝子組換え)皮下注
- テリパラチド(遺伝子組換え)皮下注
- ゾレドロン酸水和物注射液
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