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第109回薬剤師国家試験 問173

 薬物のみかけの分布容積とその変動に関与する血漿タンパク結合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2選べ。

  1. みかけの分布容積は、体内薬物量と血漿中薬物濃度の平衡定数として定義される。
  2. 特定の臓器や細胞内小器官(核やリソソーム、ミトコンドリアなど)に分布する薬物は、体重1kgあたりの分布容積が10Lを越えることがある。
  3. 脂溶性の高い薬物の分布容積は加齢に伴って減少する。
  4. 血漿タンパク結合率が高い薬物のみかけの分布容積は体内水分量とほぼ等しい。
  5. タンパク非結合型薬物の濃度は、定常状態において血漿中と組織間隙液中との間でほぼ等しい。

https://youtu.be/PcmPQ38MEHY

解答・解説

解答
2、5

解説
1 誤
見かけの分布容積(Vd) とは、投与された薬物が体内のどの程度の広がりを持って分布しているかを示す指標であり、Vd=体内薬物量/血中濃度で表される。Vdは、体内薬物量、血中濃度に関係なく一定の値を示すため、体内薬物量と血中濃度は比例することからVdは比例定数として用いられる。

2 正
特定の臓器や細胞内小器官(核やリソソーム、ミトコンドリアなど)に分布する薬物では、組織、細胞に多くの薬物が移行するため、体重1kgあたりの分布容積が10Lを越えることがある。

3 誤
加齢により体脂肪率が増加するため、脂溶性の高い薬物は組織に移行しやすくなる。よって、脂溶性の高い薬物の分布容積は加齢に伴って増加する。

4 誤
血漿タンパク結合率が高い薬物は、組織移行性が低く、ほとんど血漿中に存在するため、みかけの分布容積は血漿の水分量とほぼ等しくなる。

5 正
タンパク非結合型薬物は、血漿、組織間液、組織を自由に移動できるため、タンパク非結合型薬物の濃度は、定常状態において血漿中、組織間隙液中、組織との間でほぼ等しい。

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