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第109回薬剤師国家試験 問171

 経口投与する薬物について、食事により量的バイオアベイラビリティは変わらないが、速度的バイオアベイラビリティが低下するのはどれか。2選べ。

  1. アセトアミノフェン
  2. セファクロル
  3. リボフラビン
  4. フェニトイン
  5. インドメタシン ファルネシル

解答・解説

解答
1、2

解説
量的バイオアベイラビリティとは、投与された薬物のうち、全身循環(血流)に到達する割合を示す指標であり、血中濃度時間曲線下面積AUCによって評価される。量的バイオアベイラビリティは、消化管吸収量、全身クリアランスにより変化する。

速度的バイオアベイラビリティとは、投与された薬物がどれくらいの速さで全身循環(血流)に到達するかを示す指標であり、最高血中濃度(Cmax)と最高血中濃度に到達する時間(tmax)によって評価される。速度的バイオアベイラビリティは、吸収速度定数、消失速度定数により変化する。

1 正
アセトアミノフェンは、単純拡散により消化管から吸収される。単純拡散により吸収される薬物では、食事により胃内排泄速度(GER)が低下すると、吸収速度が低下し、速度的バイオアベイラビリティであるCmaxは低下するが、吸収量は変化しないため、量的バイオアベイラビリティは変化しない。

2 正
セファクロルは、単純拡散により消化管から吸収される(解説1参照)。

3 誤
リボフラビンは、小腸上部に存在する担体を介して、能動輸送により消化管から吸収される。能動輸送により吸収される薬物は、食事によりGERが低下すると、徐々に消化管吸収部位に到達するため、トランスポーターによる輸送の飽和を防ぐことができ、AUCの増加が起こり、量的バイオアベイラビリティが増加する。

4 誤
フェニトインは、難溶解性薬物であり、食事により胆汁分泌が促進されると吸収量が増加するため、量的バイオアベイラビリティが増加する。

5 誤
インドメタシン ファルネシルは、難溶解性薬物であり、食事により胆汁分泌が促進されると吸収量が増加するため、量的バイオアベイラビリティが増加する。

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