37歳女性。アレルギー疾患の既往歴なし。顔面に紅斑が出現したため、近医を受診し、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断された。ステロイド療法が施行され、病状は落ち着いた。副腎皮質ステロイド性薬の漸減中に、突然、上機嫌になって多弁となったり、急に無表情になったり、「スマートフォンの使い方が分からなくなった。」と困惑して涙ぐんだりする症状が目立つようになった。血液検査の結果は以下のとおりである。
(検査値)
赤血球 400×104/μL、白血球5,120/μL、血小板20.8×104/μL、血清クレアチニン1.84mg/dL、eGFR 32.8mL/min/1.73m2、空腹時血糖112mg/dL、HbA1c 6.5%、抗核抗体(+)、
尿タンパク(2+)、尿潜血(+)
問157(病態・薬物治療)
この患者に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- SLEはI型アレルギーによって発症した。
- 顔面の紅斑は鼻梁から頬にかけて一側性である。
- 副腎皮質ステロイド性薬の漸減中の症状から中枢神経ループスが疑われる。
- 血液検査から汎血球減少症が疑われる。
- 血液検査からループス腎炎が疑われる。
問158(薬理)
SLE及びその合併症の治療に用いられる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- シクロホスファミドは、肝臓で代謝されて活性体となり、DNAをアルキル化して、DNAの複製を阻害する。
- ミゾリビンは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して、チミジル酸の合成を抑制する。
- タクロリムスは、活性化T細胞核内因子(NFAT)のリン酸化を阻害して、IL-2の産生を抑制する。
- ミコフェノール酸モフェチルは、体内でミコフェノール酸に加水分解され、プリン塩基の合成を抑制する。
- ベリムマブは、Bリンパ球細胞膜のCD20に結合して、Bリンパ球の増殖を抑制する。
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