抗体とそのクラススイッチに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- クラススイッチは、抗体可変部の遺伝子再編成の後にB細胞で生じる。
- 最初に産生される抗体のクラスは、IgMである。
- クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)に存在する。
- すべての抗体のクラススイッチは、転写産物であるRNAの選択的スプライシングの違いで生じる。
- クラススイッチは、T細胞との細胞間相互作用やサイトカインにより制御される。
抗体とそのクラススイッチに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
解答
4
解説
1 正しい
クラススイッチとは、最初にB細胞で産生されるIgMの定常領域が抗原などの刺激により他のタイプの抗体(IgG、IgA、IgEなど)に変化することである。抗体が産生される際、抗体可変部の遺伝子再編成の後、IgMが産生され、その後、B細胞においてクラススイッチが行われる。
2 正しい
解説1参照
3 正しい
クラススイッチにより変化する領域は、重鎖(H鎖)の定常部に存在する。
4 誤っている
IgMからIgG、IgA、IgEに変化するクラススイッチでは、酵素(AID:Activation-induced cytidine deaminase)が働くことでDNAの組換えが起こり、特定の抗体をコードする遺伝子が活性化される。
5 正しい
クラススイッチは、T細胞との細胞間相互作用やサイトカインにより調節される。T細胞は、抗原提示細胞から抗原提示を受けた後、B細胞上のCD40に結合し、B細胞を活性化することでクラススイッチを誘導する。また、T細胞は、クラススイッチの誘導に関与するサイトカイン(IL-4、5、13など)を産生し、適切なクラスの抗体の産生に関与する。
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