60歳女性。29歳より双極性障害と診断され精神科クリニックに定期的に通院し、49歳の時に2型糖尿病と高血圧症を指摘された。現在、以下の薬剤を服用中である。1週間前から吐き気とふらつきが出現し、今朝から言葉が出にくくなり、意識がはっきりしなくなったため大学病院に救急搬送され、入院措置がとられた。処方薬による副作用が疑われた。
(入院時所見)
身長153cm、体重66.3kg、血圧90/52mmHg、脈拍68拍/分、体温37.2°C、Japan Coma Scale(JCS)3、傾眠傾向(入院時検査値)
末梢血
白血球9,800/μL、赤血球332×104/μL、Hb11.6g/dL、血小板16.4×104/μL、静脈血pH7.39
血液生化学
総タンパク6.3g/dL、血清アルブミン3.5g/dL、総ビリルビン0.5mg/dL、AST 21IU/L、ALT 23IU/L、γ-GTP 33IU/L、CK(クレアチンキナーゼ)86IU/L、血清クレアチニン1.20mg/dL、eGFR 36.3mL/min/1.73m2、随時血糖161mg/dL、HbA1c7.4%、CRP2.0mg/dL
尿所見
pH5.5、蛋白(1+)、潜血(2+)、糖(-)、ケトン体(-)
頭部CT、MRI:異常なし
問270(実務)
発現した副作用として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
- 炭酸リチウムによるリチウム中毒
- カルバマゼピンによる再生不良性貧血
- アムロジピンによる横紋筋融解症
- シタグリプチンによる低血糖発作
- フルニトラゼパムによる乳酸アシドーシス
問271(薬剤)
副作用発現の要因として考えられる薬物動態学的変動はどれか。1つ選べ。
- 薬物相互作用によるバイオアベイラビリティの上昇
- 薬物相互作用によるクリアランスの低下
- 血清アルブミン濃度の低下による分布容積の増大
- 肝機能低下による肝クリアランス低下
- 腎機能低下による腎クリアランス低下
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