70歳男性。肺がんによる疼痛があり、以下の処方により、在宅で緩和ケアを行っている。本日、薬剤師が患者宅を訪問し、薬学的管理指導を実施した。
患者に痛みに関する聞き取りを行ったところ、「痛みのコントロールは良好だったが、3日前から同じ時間帯に突然強い痛みが繰り返し起こるようになった」との情報を得た。突然の痛みの頻度を患者に尋ねたところ、「次回のオキシコドン徐放錠を服用する約2時間前に痛みが出始めることが多く、オキシコドン塩酸塩水和物散の服用回数が5回以上になっている」との情報を得た。なお、処方薬による副作用の症状は出ていない。
問248(実務)
薬剤師は、医師に連絡し処方変更の協議を行った。提案すべき内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- オキシコドン塩酸塩水和物散を増量する。
- オキシコドン徐放錠を増量する。
- オキシコドン徐放錠からトラマドール徐放錠へ処方変更する。
- ナルデメジントシル酸塩錠を減量する。
- 突出痛の再確認のため、さらに3日間同量で様子を見る。
問249(薬理)
処方されたいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 電位依存性Ca2+チャネルのα2δサブユニットに結合することで、興奮性神経伝達物質の過剰な放出を抑制する。
- オピオイドμ受容体を刺激することで、痛みの上位中枢への伝達を抑制する。
- 脊髄後角におけるセロトニン及びノルアドレナリンの神経終末への再取り込みを阻害することで、下行性疼痛抑制系を活性化する。
- 腸管に存在するオピオイドμ受容体を遮断することで、蠕動運動の低下を防ぐ。
- 腸上皮に存在するCI-チャネル2(CIC-2)を活性化することで、腸管内へ水分分泌を促進する。
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