食道がん全摘出後の患者(体重65kg)の栄養管理として、高カロリー輸液による中心静脈栄養法が実施されていた。NST(栄養サポートチーム)が患者ラウンドを行った際に、患者の皮膚状態が乾燥し、鱗状になっていることを発見した。NSTの薬剤師は、必須脂肪酸欠乏を疑い、医師らとともに他の臨床症状や検査値を確認した。協議の結果、静注用脂肪乳剤(イントラリポス®輸液20%、100mL、1本)を投与することになった。
問280(実務)
看護師から病棟薬剤師に、静注用脂肪乳剤を投与する時の注意点について質問があった。薬剤師による説明として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- 遮光して投与してください。
- ゆっくり(3時間以上かけて)投与してください。
- 高カロリー輸液に混合してください。
- ポリカーボネート製三方活栓を使用してください。
- 0.2µm孔径の輸液フィルターを用いて投与してください。

問281(薬剤)
今回投与されることになった静注用脂肪乳剤には以下の成分が含まれている。前問における説明の理由として正しいのはどれか。1つ選べ。
- 脂肪乳剤の乳濁安定性を高めるため。
- 精製大豆油の分解を抑えるため。
- 精製卵黄レシチンの添加により投与器具への有効成分の吸着を抑えるため。
- 濃グリセリンが脂肪粒子の最大粒子径を0.2µm以下にする目的で添加されているため。
- 血中での過剰な脂肪粒子の停滞を防ぐため。
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