解答
1、4
解説
1 正
全身クリアランスCLtotは体内未変化体総量X0と血中濃度時間曲線下面積AUCより求めることができる。

静脈内投与では投与量DとX0 は等しいため、AUCを下記のように求めることができる。

2 誤
この薬物は肝代謝及び腎排泄でのみ消失するとともに、静脈内投与時の尿中総排泄量が2.0mgであることから、残りの8.0mgは肝臓で消失していると考えられる。
静脈内投与した10mgのうち、8.0mgが肝臓で消失していることから肝クリアランスCL肝を下記のように求めることができる。
CL肝=CLtot×8/10=40 L/h
3 誤
肝抽出率Ehは肝クリアランス、肝血流量Q肝より求めることができる。

4 正
尿中の未変化体量は、体内移行量に比例する。静脈内投与時(静脈内投与量:10mg)の未変化体排泄量が2.0mgであり、経口投与時の未変化体排泄量が3.0mgであることから、 経口投与時の体循環に移行する薬物量は静脈内投与時の1.5倍である15mgとなる。
5 誤
消化管粘膜透過後、小腸粘膜で代謝をまぬがれたものが門脈に移行するため、門脈移行率は、消化管粘膜透過率Faと小腸で代謝をまぬがれた割合Fg の積と同じ値になる。バイオアベイラビリティFは、Fa、Fg、肝臓で代謝をまぬがれた割合Fhより求めることができる。
F=Fa×Fg×Fh
これらのことから、門脈移行率=Fa×Fg=F /Fhとなる。
F は、経口投与時の体循環に移行する薬物量/経口投与量より「15mg /40mg」、Fhは1-Ehであることから、「Fh=0.5」となり、門脈移行率=0.75となる。
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