解答
3
解説
臭化アルキル(R−Br)に求核剤(Y-)を作用させる置換反応には、SN1反応とSN2反応がある。SN1反応は2段階反応であり、2度の遷移状態を経由して反応が進行するため、BがSN1反応を示しており、SN2反応は1段階反応であり、1度の遷移状態を経由して反応が進行するため、AがSN2反応を示している。
1 誤
吸エルゴン反応とは、自由エネルギーの変化が正となる反応のことであり、発エルゴン反応とは、自由エネルギーの変化が負となる反応のことである。Aの反応において反応後のエネルギーは反応前に比べ低下しているため、発エルゴン反応(自由エネルギーの変化が負である反応)と読み取れる。
2 誤
Bの反応(SN1反応)は、律速段階において反応基質のみが関与する1分子的な求核置換反応である。
3 正
Aの反応(SN2反応)は、臭化アルキルの置換基Rの影響によりaの状態が混み合ってくると、進行しにくくなるため、遷移状態のエネルギーが高くなる。
4 誤
反応前と遷移状態のエネルギーの差(活性化エネルギー)が大きいほど反応が進行しにくいため、Bの反応においては、反応前からbに至る段階が律速となる。
5 誤
Aの反応(SN2反応)は、1段階反応であるため、2–ブロモブタンの一方のエナンチオマーのみを用いたとき、ラセミ混合物は生成しない。なお、Bの反応(SN1反応)は、2段階反応であり、2–ブロモブタンの一方のエナンチオマーのみを用いたとき、ラセミ混合物を生成する。
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