55歳男性。急性骨髄性白血病と診断され、血縁者からの末梢血幹細胞移植を行うこととなった。この患者の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- 自家移植よりも致死的合併症は少ない。
- 移植後にシクロホスファミドの大量化学療法と全身放射線照射を行う。
- タクロリムスを移植手術の前から投与する。
- 移植後は免疫抑制剤を速やかに中止する。
- 移植片対宿主病の発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。
55歳男性。急性骨髄性白血病と診断され、血縁者からの末梢血幹細胞移植を行うこととなった。この患者の治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
解答 解説 2 誤 3 正 4 誤 5 誤解答・解説
3
1 誤
幹細胞移植による致死的合併症としてGVHD(移植片対宿主病)がある。GVHDは、幹細胞を移植する際に侵入したドナーのリンパ球がレシピエントの組織・細胞を非自己と判断し、攻撃して起こる疾患である。自家移植する場合、幹細胞を移植する際に侵入するリンパ球は自己のリンパ球であるため、血縁者からの末梢血幹細胞移植よりもGVHDを起こしにくい。
移植前に腫瘍細胞の壊滅と臓器の生着を担保することを目的に、移植前処置治療が行われることがある。造血幹細胞を移植する前の移植前処置治療では、シクロホスファミドの大量化学療法と全身放射線照射が行われることがある。
末梢血幹細胞の移植手術を行う前から、タクロリムスを投与することがある。
幹細胞移植では、GVHDの発症や拒絶反応を予防するために、移植後もシクロスポリンやタクロリムス等の免疫抑制薬の投与を継続する。
幹細胞移植では、GVHD(移植片対宿主病)の発症を予防するために、免疫抑制薬の投与を行う。なお、輸血によるGVHDの発症を予防するために、輸血する血液に放射線照射を行う。
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