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第103回薬剤師国家試験 問99(理論問題) 液体クロマトグラフィー

以下は日本薬局方アセトアミノフェンの純度試験(液体クロマトグラフィー)の記述の一部である。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

操作条件
検出器:A紫外吸光光度計(測定波長:225 nm
カラム:内径約4 mm、長さ約15 cmのステンレス管の5 µmの液体クロマトグラフィー用Bオクタデシルシリル化シリカゲルを充塡する。

カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:CpH4.7の0.05 mol/Lリン酸二水素カリウム試液/メタノール混液(4:1
流量:アセトアミノフェンの保持時間が約5分になるように調整する。
カラムの測定:本品及び4−アミノフェノール塩酸塩0.01 gずつをメタノール1 mLに溶かし、移動相を加えて50 mLとする。この液1 mLをとり、移動相を加えて10 mLとする。この液10 µLにつき、上記の条件で操作するとき、「  D  」の順に溶出し、そのE分離度が7以上のものを用いる。

  1. Aの検出器の光源には、通常、キセノンランプが用いられる。
  2. Bのオクタデシルシリル化シリカゲルは順相系の固定相である。
  3. Cの移動相中のメタノール含量を増やすと、アセトアミノフェンの保持時間は短くなる。
  4. Dは、アセトアミノフェン、4−アミノフェノールの順である。
  5. Eの条件をみたすとき、分離度が1.5以上であるので、2つのピークは完全に分離している。

解答・解説

解答
3、5

解説
1 誤
紫外吸光光度計の光源には、重水素放電管が用いられる。なお、キセノンランプは、蛍光光度計で用いられる光源である。

2 誤
固定相には、極性の大きいものを保持する順相系の固定相と極性の小さいものを保持する逆相系の固定相が存在する。本設問で用いられているオクタデシルシリル化シリカゲルは、シリカゲルにC18のアルキル鎖が結合したものであり、極性の小さいものを保持することができるため、逆相系の固定相である。

3 正
移動相中のメタノール含量が増えると、移動相の極性が低下する。それによりアセトアミノフェンは移動相に移行しやすくなるため、アセトアミノフェンの保持時間は短くなる。

4 誤
脂溶性の関係(アセトアミノフェン>4−アミノフェノール)
オクタデシルシリルシリカゲルを固定相に用いた場合、脂溶性のものは保持されやすく溶出が遅くなる。そのため、溶出の順番は4−アミノフェノール、アセトアミノフェンの順となる。

5 正
日本薬局方一般試験法において分離度1.5以上の場合、2つのピークは完全に分離していると定義されている。

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