解答
1、5
解説
1 正
油脂の変敗は、活性メチレン基(反応性に富むメチレン基:炭素−炭素二重結合に挟まれた−CH2−)からラジカルを生じることにより開始されることから、構造中に活性メチレン基を多く有する脂肪酸(二重結合を多く有する脂肪酸)の方が酸化されやすい。よって、オレイン酸(C18、二重結合:1)とリノール酸(C18、二重結合:2)では、リノール酸の方が酸化されやすい。
2 誤
カルボニル価とは、油脂中のカルボニル化合物(ケトンやアルデヒドなど)の量を示す指標であり、油脂の変敗に伴いその値は増加する。γ−リノレン酸(C18、二重結合:3)とα−リノレン酸(C18、二重結合:3)では、二重結合の数が同じで酸化のされやすさにほとんど差がないことから、カルボニル価はほぼ同じ速度で上昇する。
3 誤
ヨウ素価とは、油脂中に含まれる二重結合の量を示す値であり、油脂の変敗に伴い二重結合が開裂することからその値は低下する。
4 誤
過酸化物価の測定では、過酸化物(脂質ヒドロキシペルオキシドなど)によりヨウ化物イオンが酸化されて生成するI2をチオ硫酸ナトリウムで滴定することにより過酸化物の量を測定する。よって、油脂中の脂質ヒドロキシペルオキシドが増加すると、滴定に要するチオ硫酸ナトリウムの量は増加する。
5 正
食品添加物として添加されるビタミンEは、連鎖反応停止型の酸化防止剤であり、不飽和脂肪酸の油脂の変敗を抑制するため、過酸化物価の上昇を抑制する。
コメント
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