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第103回薬剤師国家試験 問105(理論問題) キモトリプシンの酵素活性部位における相互作用

図は、タンパク質加水分解キモトリプシンの酵素活性部位における相互作用を模式的に示したものである。この図に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

  1. His57とSer195との間の相互作用は、Ser195のヒドロキシ基の求核性を高めている。
  2. Asp102とHis57との間の相互作用は、His57のイミダゾリル基の塩基性を低下させている。
  3. 疎水性ポケットと基質タンパク質との間の相互作用は、酵素の基質特異性を高めている。
  4. Ser195のヒドロキシ基は、基質タンパク質をプロトン化することによって、ペプチド結合の切断を容易にしている。

解答・解説

解答
1、3

解説
キモトリプシンは、主としてペプチド鎖中の芳香族アミノ酸のカルボキシ基側のペプチド結合を加水分解するタンパク質分解酵素である。
1 正
His57は、塩基性触媒として作用しSer195のヒドロキシ基のプロトンを受け取ることによりヒドロキシ基の酸素の負電荷を増強させ、ヒドロキシ基の求核性を高めている。

2 誤
Asp102に存在する負電荷がイミダゾリル基の塩基性を高めるため、Asp102とHis57との間の相互作用は、His57のイミダゾリル基の塩基性を増大させている。

3 正
疎水ポケットに芳香族アミノ酸の芳香環が取り込まれることにより、芳香族アミノ酸が固定される。そのため、疎水性ポケットと基質タンパク質との間の相互作用は、酵素の基質特異性(キモトリプシンが芳香族アミノ酸に作用する)を高めている。

4 誤
Ser195のヒドロキシ基は、His57のイミダゾール基をプロトン化するが、基質タンパク質のプロトン化には関与しない。

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