48歳男性。1週間前に心筋梗塞の診断により経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行し、ステントを留置した。梗塞部位は良好に拡張されたが、施行5日後と6日後にステント血栓症が発症した。
PCI施行後は、以下の薬剤が投与されていた。
患者情報
脂質異常症の既往あり、喫煙(-)、服薬アドヒアランスは良好
現在の検査データ
血圧129/77 mmHg、心拍数65 bpm、血清クレアチニン値0.75 mg/dL、BUN 25.4 mg/dL、
HbA1c 6.2%、K 4.5 mEq/L、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)131 mg/dL、
高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)42 mg/dL、トリグリセリド(TG)110 mg/dL
その後、カンファレンスにおいて、ステント血栓症の原因が検討され、薬剤師に意見が求められた。薬剤師は服用中のクロピドグレル治療抵抗性の可能性を提起し、代替薬を提案した。
問304 (病態・薬物治療)
クロピドグレルの治療抵抗性の原因として考えられるのはどれか。1つ選べ。
- アスピリンとクロピドグレルの薬物相互作用
- ロサルタンによるクロピドグレルの代謝拮抗
- 尿pHの変動によるクロピドグレルの尿細管再吸収の低下
- クロピドグレルの代謝酵素の遺伝子多型
- ロスバスタチンによるクロピドグレルの代謝酵素の誘導
問305 (実務)
クロピドグレルの代替薬として、以下の薬剤のうち最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- トラネキサム酸
- プロタミン
- プラスグレル
- ワルファリン
- メナテトレノン