54歳男性。腎細胞がん治療の内服薬導入のため入院し、1週間で退院することとなった。退院時に手足症候群への対応を含む以下の処方箋が交付され、近所の薬局に持参した。
この患者への服薬指導として適切でないのはどれか。2つ選べ。
- 熱い風呂は、控えましょう。
- 直射日光に当たらないようにしましょう。
- 手足に痛みが現れたら、薬の使用を中止してください。
- 白色ワセリンは副作用の予防になるので毎日使いましょう。
- 足に密着したきつめの靴下を履きましょう。
54歳男性。腎細胞がん治療の内服薬導入のため入院し、1週間で退院することとなった。退院時に手足症候群への対応を含む以下の処方箋が交付され、近所の薬局に持参した。
この患者への服薬指導として適切でないのはどれか。2つ選べ。
解答
3、5
解説
手足症候群とは、抗悪性腫瘍薬(特にフルオロウラシル、ドセタキセル水和物、カペシタビン、ソラフェニブトシル酸塩、スニチニブリンゴ酸塩など)の使用により手や足の皮膚細胞が障害されることにより起こる副作用である。手足症候群の予防法とその具体例を以下に示す。
<手足症候群の予防法とその具体例>
①物理的刺激を避ける
締め付けの強い靴下を着用しない。足に合った靴下を着用する。長時間の歩行を避ける。洗剤類にじかに触れないようにする。
②熱刺激を避ける
熱い風呂やシャワーを避ける。
③皮膚の保護
保湿剤(ヘパリン類似物質含有軟膏、白色ワセリンなど)を塗布する。厚めの靴下を履く。
④2次感染を予防する
清潔をこころがける。
⑤直射日光を避ける
外出時には日傘、帽子、手袋を使用する。
1 適切
2 適切
3 不適切
ソラフェニブトシル酸塩服用中に手足に痛みが現れた場合には、副作用である手足症候群が発症した可能性がある。そのような場合は、ソラフェニブの服用を継続するか、中止するかは症状によって異なるため、薬の服用を勝手に中止せず、医師または薬剤師に相談するように説明する。
4 適切
5 不適切
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