第101回薬剤師国家試験 問258〜259

62歳女性。3年前に糖尿病と診断され、処方1及び処方2で治療中。最近、手足に痛みやしびれ感があるため処方3が追加となった。

(処方1)
メトホルミン塩酸塩錠250 mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 14日分
(処方2)
ピオグリタゾン錠15 mg 1回0.5錠(1日0.5錠)
アログリプチン安息香酸塩錠25 mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 14日分
(処方3)
プレガバリンカプセル75 mg 1回1カプセル(1日2カプセル)
1日2回 朝夕食後 14日分

問258 (実務)
処方3の服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。

 痛みやしびれ感の改善があれば、薬をやめても構いません。
 アルコールは薬の作用に影響しますので、控えてください。
 ぼんやりしたり、めまい、意識消失などが起こることがあります。
 血液を固まりにくくし、血のめぐりを良くすることで痛みをやわらげます。

 

 

 

解説
1 誤
本剤の急激な投与中止により、不眠、悪心、頭痛、下痢、不安及び多汗症等の症状が現れることがあるため、投与を中止する場合には、少なくとも1週間以上かけて徐々に減量する必要がある。
よって、痛みやしびれ感が改善されても、指示された用法・用量をまもって服用するように説明する必要がある。
2 正
本剤服用中にアルコールを摂取すると、本剤とアルコールによる認知機能障害及び運動機能障害が相加的に現れることがある。よって、本剤服用中は、アルコールの摂取を控えるように説明する必要がある。
3 正
本剤服用によりめまい、傾眠、意識障害等が現れることがある。よって、本剤服用によりぼんやりしたり、めまい、意識消失が現れることを説明する必要がある。
4 誤
本剤には、血流を改善して、血のめぐりを良くすることにより痛みを和らげる作用はない。本剤は興奮性神経伝達物質の放出を抑制することにより神経障害性疼痛に対して効果を示す。よって、本剤は痛みのもととなる物質を抑えることで、神経が障害されていることによる痛み及びしびれを改善すると説明する必要がある。

解答
2、3

 

問259 (薬理)
処方1〜3の薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。

 アルドース還元酵素を阻害し、末梢神経障害を改善する。
 AMP依存性プロテインキナーゼを活性化し、肝臓での糖新生を抑制する。
 ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)を活性化し、インスリン抵抗性を改善する。
 オピオイドµ受容体を刺激し、鎮静作用を示す。
 ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害し、インクレチンの作用を増強する。

 

 

 

解説
1 誤
アルドース還元酵素を阻害し、グルコースからソルビトールの生成を抑制することによりソルビトールによる末梢神経障害を抑制する薬物は、エパルレスタットである。
2 正
メトホルミンはビグアナイド系経口糖尿病薬であり、AMP依存性プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することにより肝臓での糖新生抑制作用及び骨格筋での糖利用促進作用を示す。
3 誤
ピオグリタゾンは、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ)を活性化し、アディポネクチン産生促進作用及び腫瘍壊死因子−α(TNF−α)産生抑制作用によりインスリン抵抗性を改善する。
4 誤
オピオイドµ受容体を刺激し、鎮静作用を示す薬物は、モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬である。
5 正
アログリプチンは、生体内インクレチンを分解するジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)を阻害し、インクレチンの作用を増強することにより血糖依存的インスリン分泌を促進する。

解答
2、5

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第101回 問260〜問261

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