薬物の組織分布に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 組織移行性の大きい薬物の分布容積は、血漿容積に近い値となる。
- 組織成分との結合が強い薬物の分布容積は、総体液量を超えることがある。
- 薬物の組織分布が平衡に達すると、血漿中と組織中の非結合形分率は等しくなる。
- 組織中非結合形分率に対する血漿中非結合形分率の比が大きい薬物ほど、分布容積は大きい。
- 炎症性疾患時にはα1-酸性糖タンパク質の血漿中濃度が低下し、塩基性薬物の分布容積が増大する。

薬物の組織分布に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解答
2、4
(血漿の容積:Vd血、組織の容積:Vd組、血漿中薬物濃度:C血、組織中薬物濃度:C組)
組織移行性の大きい薬物では、C組>C血となることから、Vd>Vd血となる。
2 正
分布容積Vdは②式で表される。
(血漿の容積:Vd血、組織の容積:Vd組、血漿中非結合形分率:f血、組織中非結合形分率:f組)
組織成分との結合が強い薬物では、f組が小さい値を示すため、Vd>総体液量となる。
3 誤
薬物の組織分布が平衡に達すると、「血漿中遊離薬物濃度=組織中遊離薬物濃度」の関係が成立する。
4 正
②式より、組織中非結合形分率f組に対する血漿中非結合形分率f血の比が大きい薬物ほど、分布容積は大きくなる。
5 誤
炎症性疾患時にはα1酸性糖タンパク質の血漿中濃度が増加し、塩基性薬物の血漿中非結合形分率が低下する。そのため、炎症性疾患時には、塩基性薬物の分布容積は低下する。
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