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第100回薬剤師国家試験 問200〜201

医師から組換え医薬品に関する情報を求められた。そこで、薬剤師が組換え医薬品について情報収集を行った。

問200 (実務)
組換え医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. キメラ型の抗体医薬品は、ヒト由来の可変領域とマウス由来の定常領域を有する。
  2. 組換え型ワクチン(ウイルス様粒子ワクチン)は、生ワクチンと比較してワクチンに由来する感染症への感染リスクが低い。
  3. 組換え医薬品には、ステロイドホルモン、血液凝固因子、血小板活性化因子、サイトカイン、モノクローナル抗体などがある
  4. がん治療に用いられる抗体医薬品の標的には、細胞表面抗原や増殖因子、血管新生に関わる分子などがある。

解答・解説

解答
2、4

解説
1 誤
キメラ型の抗体医薬品は、マウス由来の可変領域ヒト由来の定常領域を有する。

2 正
組換え型ワクチンは、遺伝子組換え技術を用いて作成したウイルス様粒子であり、抗原性を示すが、病原性を有しない。それに対し、生ワクチンは病原性減じた病原体を用いたもので、抗原性及び病原性を有する。よって、組換え型ワクチン(ウイルス様粒子ワクチン)は、生ワクチンと比較してワクチンに由来する感染症への感染リスクが低い

3 誤
組換え医薬品には、血液凝固因子、サイトカイン、モノクローナル抗体などがあるが、ステロイドホルモンや血小板活性化因子(PAF)などはない

4 正
がん治療に用いられる代表的な抗体医薬品にはリツキシマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブがある。リツキシマブは細胞表面抗原であるCD20、トラスツズマブは増殖因子であるHER2、ベバシズマブは血管新生に関わる分子VEGFを標的として抗悪性腫瘍作用を示す。

問201 (物理・化学・生物)
組換え医薬品に分類される抗体医薬品は凍結乾燥品であることが多い。組換え医薬品の凍結乾燥に関する記述の①、②の組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。

水に溶けている試料の凍結乾燥品を調製する場合、水の変化を表す主たる現象は( ① )である。また( ① )の現象の転移エンタルピーは、( ② )のプロットの傾きから求められる。
ただし、相転移温度と蒸気圧との関係は、次に示すクラペイロン・クラウジウスの式により表される。

解答・解説

解答
5

解説

試料の凍結乾燥品を得るためには、試料水溶液を凍結させた後、減圧を行い、水を昇華させる必要がある。よって、①に当てはまる語句は「昇華」である。


相転移温度と蒸気圧との関係を示すクラペイロン・クラウジウスの式を積分すると、以下の式が得られる。

p:圧力、T:温度、ΔtrsH:転移エンタルピー変化、R:気体定数)
このことから、x軸に1/T、y軸にlnpをプロットした傾き(-ΔtrsH/R)から、転移エンタルピーを求めることができる。

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