亜鉛(Zinc, Zn)は、周期表の第12族に属する金属元素であり、化学記号はZn、原子番号は30である。亜鉛は生物にとって必須の微量元素であり、多くの酵素や生体機能に関与している。
物理的および化学的特性
- 外観:
- 青みを帯びた銀白色の金属である。
- 物理的性質:
- 比較的柔らかく、延性や展性を有している。
- 酸化状態:
- 主に+2の酸化状態をとる。
生物学的役割
亜鉛は以下のような重要な役割を果たしている:
- 酵素活性の補因子:
- 300種類以上の酵素の補因子として働き、タンパク質合成、DNA合成、RNA合成に必要である。
- 免疫機能の維持:
- 免疫細胞の正常な機能をサポートする。
- 成長と発育:
- 骨や筋肉の発達、細胞分裂に寄与する。
- 創傷治癒:
- 皮膚の修復や創傷治癒を促進する。
- 味覚と嗅覚の維持:
- 味覚受容体や嗅覚受容体の正常な機能に関与する。
摂取源
亜鉛は以下の食品から摂取される:
- 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)
- 魚介類(牡蠣、イワシ、カニ)
- 種実類(カシューナッツ、アーモンド)
- 豆類(大豆、レンズ豆)
- 全粒穀物(小麦胚芽、玄米)
不足による影響
亜鉛が不足すると以下の症状が現れる可能性がある:
- 成長障害:
- 子供における身長や体重の発育遅延。
- 免疫力低下:
- 感染症への抵抗力が低下する。
- 皮膚や髪の異常:
- 皮膚炎や脱毛が発生する。
- 味覚異常:
- 食べ物の味を感じにくくなる。
- 創傷治癒の遅れ:
- 傷の治りが遅くなる。
過剰摂取の影響
亜鉛を過剰に摂取した場合、以下の健康被害が生じる可能性がある:
- 胃腸障害:
- 吐き気、嘔吐、下痢などを引き起こす。
- 銅吸収の阻害:
- 過剰な亜鉛は銅の吸収を阻害し、貧血や骨の異常を引き起こすことがある。




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