メルケル細胞は、皮膚や粘膜の表皮基底層に存在する特殊な細胞で、主に触覚の感知に関与している。これらの細胞は、圧力や触れた感覚を感知する「機械受容器」として機能し、特に繊細な触覚を必要とする部分(指先、唇、顔など)に多く見られる。
特徴
- 形態
- メルケル細胞は丸みを帯びた細胞体を持ち、真皮と接する部分でメルケル神経終末と結合している。
- 細胞内には、神経伝達物質を含む小さな顆粒(神経分泌顆粒)が存在する。
- 局在
- 表皮基底層に位置し、特に感覚の敏感な部位(指先、手のひら、足の裏、顔の皮膚など)に集中している。
- 毛包(毛根部分)の周囲にも存在する。
- 結合
- メルケル細胞は、メルケル神経終末と密接に結合して「メルケル小体(Merkel disc)」を形成する。
機能
- 触覚の感知
- メルケル細胞は、繊細な触覚(形状、質感、圧力など)を感知する。
- 神経伝達
- 外部からの刺激を感知すると、神経伝達物質を放出し、メルケル神経終末を介して信号を中枢神経系に送る。
- 感覚情報の処理
- 感知された触覚情報は脳に送られ、繊細な触覚の認識や物体の識別に使用される。
構造的特徴
- デスモソームによる接着:
- メルケル細胞は周囲の角化細胞とデスモソームで結合しているため、表皮の一部として安定している。
- 神経分泌顆粒:
- 細胞内には、神経伝達物質やペプチドを含む顆粒があり、感覚信号を伝達する役割を果たす。
関連疾患
- メルケル細胞癌
- メルケル細胞が悪性化することで発生する非常に稀な皮膚がん。
- 進行が速く、転移のリスクが高いが、早期発見と治療が重要。
- 触覚障害
- メルケル細胞や関連神経が損傷を受けると、繊細な触覚の感知能力が低下する可能性がある。
コメント