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ヘモグロビン(Hemoglobin)

ヘモグロビンは、赤血球内に存在する鉄を含むタンパク質で、主に酸素と二酸化炭素の運搬を担う重要な役割を果たす。全身の組織と肺との間で酸素を効率よく輸送するために不可欠な成分である。ヘモグロビンは、その酸素を結びつける能力によって、酸素を肺から全身に供給し、二酸化炭素を組織から肺へ戻すことができる。

1. ヘモグロビンの構造

  • ヘモグロビンは、4つのサブユニットからなる四量体の構造を有している。これらのサブユニットは、2つのα鎖(アルファ鎖)と2つのβ鎖(ベータ鎖)で構成される。それぞれのサブユニットには、酸素分子と結合できるヘムという分子が含まれている。
  • ヘムは鉄(Fe)を中心に持つ環状の構造をしており、この鉄が酸素分子と結びつく場所である。1つのヘモグロビン分子は、4つの酸素分子と結合することができる。
  • ヘモグロビンは、酸素を結びつけるとその構造が変化し、酸素を放出するための構造にも変化します。これにより、酸素の効率的な受け渡しが可能になる。

2. ヘモグロビンの機能

2.1 酸素の運搬

  • ヘモグロビンは肺で酸素と結びつき、血流によって全身の細胞に酸素を供給する。酸素を取り込むとヘモグロビンの構造が変化し、その後、組織に到達したときに酸素を放出する。

2.2 二酸化炭素の運搬

  • 細胞で使われた酸素は、二酸化炭素として排出される。ヘモグロビンは、二酸化炭素を組織から肺に運ぶ役割も担っている。このとき、酸素が放出されたヘモグロビンは、二酸化炭素と結びつき、肺まで運ばれて呼吸によって体外に排出される。

2.3 pHの調整

  • ヘモグロビンは酸素と二酸化炭素を運搬する際に、血液のpHの安定にも寄与する。酸素が結びついたとき、血液のpHがややアルカリ性になり、逆に二酸化炭素が放出されると酸性に傾く。これにより、呼吸と循環が連動して体内のpHが一定に保たれる。

3. ヘモグロビンの測定とその重要性

  • ヘモグロビン値は、血液検査で測定されます。通常、成人のヘモグロビン濃度は男性で13.8~17.2 g/dL、女性で12.1~15.1 g/dL程度である。

4.1 ヘモグロビン値が低い場合

  • 貧血:ヘモグロビンの濃度が低いと、酸素運搬能力が低下し、疲れや息切れ、頭痛などの症状が現れることがある。鉄欠乏性貧血やビタミンB12欠乏症が原因として挙げられる。

4.2 ヘモグロビン値が高い場合

  • 多血症:ヘモグロビン濃度が高すぎると、血液が濃くなり、血流が滞る可能性がある。

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