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ソマトスタチン(Somatostatin)

ソマトスタチン(Somatostatin)は、ペプチドホルモンの一種であり、内分泌系や神経系において重要な調節役を担う。主に成長ホルモン、消化管ホルモン、膵ホルモンの分泌を抑制する作用を有しており、代謝や消化機能のバランスを保つ役割を果たす。

1. 基本情報

  • ホルモン分類: ペプチドホルモン
  • 生成部位:
    • 視床下部: 成長ホルモン放出抑制ホルモンとして機能
    • 膵臓ランゲルハンス島δ細胞: 血糖調節に関与
    • 消化管粘膜: 消化機能を調整

2. 主な作用

ソマトスタチンは、多様なホルモンや代謝経路に影響を与え、その抑制的な作用によって体内のホメオスタシス(恒常性)を維持する。

2.1 成長ホルモンの分泌抑制

  • 視床下部で分泌され、下垂体前葉の成長ホルモン(GH)の分泌を抑制する。

2.2 膵ホルモンの分泌抑制

  • ランゲルハンス島のα細胞からのグルカゴン分泌と、β細胞からのインスリン分泌を抑制します。
  • 血糖値の急激な変動を抑え、血糖調節を安定化させる。

2.3 消化管ホルモンの抑制

  • ガストリン、セクレチン、コレシストキニン(CCK)などの消化管ホルモンの分泌を抑制する。
  • 胃酸分泌や膵酵素分泌を抑えることで、消化管の活動を制御する。

    3. 分泌の調節

    3.1 促進因子

    • 高血糖: 血糖値が上昇すると、ソマトスタチンの分泌が増加する。
    • 消化管ホルモン: ガストリンやコレシストキニンの刺激で分泌が促進される。

    3.2 抑制因子

    • 低血糖: 血糖値が低下すると、ソマトスタチンの分泌が抑制される。

    4. 医療における利用

    4.1 腫瘍治療

    • 消化管ホルモン産生腫瘍(ガストリノーマ、グルカゴノーマ、インスリノーマなど)の症状を抑制するために、ソマトスタチンアナログ(オクトレオチドなど)が使用される。

      4.2 内分泌疾患

      • 成長ホルモンの過剰分泌による先端巨大症の治療にもソマトスタチンアナログが使用される。

      5. 病態との関連

      ソマトスタチンの異常分泌や機能障害は、いくつかの病態に関連している。

      5.1 腫瘍性疾患

      • δ細胞からの腫瘍(ソマトスタチノーマ)は稀であり、ホルモン分泌の過剰による代謝異常を引き起こす。

      5.2 消化機能障害

      • ソマトスタチン分泌の異常により、胃酸分泌の制御や消化管運動が乱れることがある。

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