セロビオース（Cellobiose）

セロビオースは、2分子のグルコースがβ-1,4グリコシド結合で結合した二糖類である。化学式はC₁₂H₂₂O₁₁で、セルロースの基本構造単位として知られている。植物の細胞壁に多く含まれるセルロースが酵素的または化学的に分解されることで生成される。

セロビオースの特徴

1. 構造:
   • 2つのグルコース分子がβ-1,4結合で直線状に結合している。
   • 還元性を有しており、開環した形ではアルデヒド基を持つ。
2. 物理的性質:
   • 白色の結晶性粉末で、水に溶けやすい。
   • 甘味は非常に弱く、ほとんど甘味を感じない。
3. 天然での存在:
   • 自然界では単独で存在することは少なく、主にセルロースの分解生成物として生成される。

セロビオースの生成と分解

1. 生成:
   • セルロースが酵素セルラーゼや酸によって分解される過程で生成される。
   • セロビオースはセルロースの基本単位であり、セルロースを構成するグルコース鎖の繰り返し構造の一部である。
2. 分解:
   • セロビオースは酵素β-グルコシダーゼ（セロビアーゼ）によって加水分解され、2分子のグルコースに分解される。
   • 分解されたグルコースはエネルギー源として代謝される。

セロビオースの健康影響

1. 消化:
   • ヒトはセロビアーゼを持たないため、セロビオースを直接分解することはできない。
   • 腸内細菌によって代謝される場合がある。

セロビオースとセルロースの関係

セロビオースはセルロースの基本単位である。セルロースはβ-1,4グリコシド結合によって多数のグルコース分子が結合した高分子化合物であり、植物の構造を支える重要な成分である。セロビオースはこのセルロースの分解過程で現れる中間生成物であり、セルロース分解のメカニズムやバイオ燃料研究の理解において鍵となる化合物である。