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セリン(Ser、S:Serine)

セリン(Serine)は、タンパク質を構成する非必須アミノ酸の一つで、化学式は C3H7NO3 である。セリンは、生体内でグリシンや他の代謝中間体から合成可能であり、タンパク質や酵素の構造や機能において重要な役割を果たす。

構造と性質

  1. 構造
    • セリンは、アミノ基(-NH2)、カルボキシル基(-COOH)、そして側鎖にヒドロキシメチル基(-CH2OH)を持つアミノ酸。
  2. 性質
    • 側鎖のヒドロキシル基(-OH)は極性を持ち、セリンは親水性のアミノ酸に分類される。
    • ヒドロキシル基の存在により、セリンは水素結合を形成する能力があり、タンパク質の立体構造や機能に寄与する。

生理的役割

  1. タンパク質の構成要素
    • セリンは、タンパク質や酵素の構造を形成する基本成分で、特にリン酸化などの化学修飾を受けやすいアミノ酸である。
  2. リン酸化
    • セリンはタンパク質リン酸化の主要な標的となる。セリンのリン酸化は、細胞内シグナル伝達や酵素活性の調節などに重要な役割を果たす。
  3. 代謝の中間体
    • セリンは、グリシンやシステインの合成、さらには一炭素代謝(葉酸サイクル)の重要な前駆体として機能する。
  4. 膜脂質の合成
    • セリンは、細胞膜を構成するリン脂質(ホスファチジルセリン)の合成に関与している。ホスファチジルセリンは、膜の安定性やシグナル伝達において重要である。
  5. 神経伝達
    • セリンは神経伝達物質の生成にも関与しており、中枢神経系の正常な機能に必要である。

栄養学的側面

  1. 非必須アミノ酸
    • セリンは、体内でグリシンや3-ホスホグリセリン酸から合成されるため、必須アミノ酸ではない。
  2. 食品中の供給源
    • セリンは、以下の食品に多く含まれています:
      • 肉類、魚類
      • 大豆製品
      • ナッツ類
      • 牛乳、卵

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