セリン(Serine)は、タンパク質を構成する非必須アミノ酸の一つで、化学式は C3H7NO3 である。セリンは、生体内でグリシンや他の代謝中間体から合成可能であり、タンパク質や酵素の構造や機能において重要な役割を果たす。
構造と性質
- 構造:
- セリンは、アミノ基(-NH2)、カルボキシル基(-COOH)、そして側鎖にヒドロキシメチル基(-CH2OH)を持つアミノ酸。
- 性質:
- 側鎖のヒドロキシル基(-OH)は極性を持ち、セリンは親水性のアミノ酸に分類される。
- ヒドロキシル基の存在により、セリンは水素結合を形成する能力があり、タンパク質の立体構造や機能に寄与する。
生理的役割
- タンパク質の構成要素:
- セリンは、タンパク質や酵素の構造を形成する基本成分で、特にリン酸化などの化学修飾を受けやすいアミノ酸である。
- リン酸化:
- セリンはタンパク質リン酸化の主要な標的となる。セリンのリン酸化は、細胞内シグナル伝達や酵素活性の調節などに重要な役割を果たす。
- 代謝の中間体:
- セリンは、グリシンやシステインの合成、さらには一炭素代謝(葉酸サイクル)の重要な前駆体として機能する。
- 膜脂質の合成:
- セリンは、細胞膜を構成するリン脂質(ホスファチジルセリン)の合成に関与している。ホスファチジルセリンは、膜の安定性やシグナル伝達において重要である。
- 神経伝達:
- セリンは神経伝達物質の生成にも関与しており、中枢神経系の正常な機能に必要である。
栄養学的側面
- 非必須アミノ酸:
- セリンは、体内でグリシンや3-ホスホグリセリン酸から合成されるため、必須アミノ酸ではない。
- 食品中の供給源:
- セリンは、以下の食品に多く含まれています:
- 肉類、魚類
- 大豆製品
- ナッツ類
- 牛乳、卵
- セリンは、以下の食品に多く含まれています:





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