シトルリン

シトルリン（Citrulline）は、アミノ酸の一種であり、タンパク質を構成する標準アミノ酸には含まれませんが、生体内で重要な役割を果たす。特に、尿素回路や一酸化窒素（NO）の生成に関与しており、解毒作用、血流改善、運動パフォーマンス向上などの効果が注目されている。

1. シトルリンの化学的特徴

• 化学式: C₆H₁₃N₃O₃

2. 生体内での役割

シトルリンは、以下のような生体内プロセスにおいて重要である。

2.1 尿素回路（オルニチン回路）

• シトルリンは、尿素回路の中間生成物としてアンモニアの解毒に関与する。
• カルバモイルリン酸とオルニチンの反応によってシトルリンが生成され、その後アルギニノコハク酸を経てアルギニンに変換される。
• このプロセスでアンモニアが尿素に変換され、排出される。

2.2 一酸化窒素（NO）の生成

• シトルリンは、アルギニンに再変換される際、一酸化窒素合成酵素（NOS）によって一酸化窒素（NO）が生成される。
• 一酸化窒素は血管を拡張し、血流を改善する作用を有する。

2.3 エネルギー代謝の補助

• アミノ酸代謝の一部として機能し、筋肉の疲労回復や持久力向上に寄与する。

3. 健康への効果

シトルリンはその生理活性により、以下の健康効果が期待されている。

3.1 血流改善

• シトルリンは、アルギニンに変換されることで一酸化窒素（NO）の生成を促進し、血管を拡張する。
• これにより、血圧の低下や循環器系の健康改善が期待される。

3.2 運動パフォーマンスの向上

• シトルリンは筋肉への酸素供給を増やし、乳酸の蓄積を抑制することで、運動時の疲労軽減や持久力向上に寄与する。

3.3 肝機能の改善

• 肝臓でのアンモニア解毒を助けるため、肝疾患の補助治療としても注目されている。