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グルタミン(Gln、Q:Glutamine)

グルタミン(Gln, Q)は、タンパク質を構成するアミノ酸の一つで、化学式は C5H10N2O3 である。非必須アミノ酸に分類される。グルタミンは、エネルギー供給や窒素代謝、免疫機能など多岐にわたる生理的役割を担っている。

構造と性質

  1. 構造
    • グルタミンは、グルタミン酸の側鎖のカルボキシル基(-COOH)がアミド基(-CONH2)に変換された形をしている。
    • アミド基を持つため、親水性が高いアミノ酸である。
  2. 性質
    • 水溶性が高く、血液や細胞内で容易に輸送・代謝される。
    • 中性のpHでは電荷を持たず、安定した形態を保っている。

生理的役割

  1. エネルギー供給
    • グルタミンは、腸管上皮細胞や免疫細胞のエネルギー源として重要である。
  2. 窒素代謝
    • 体内での窒素輸送において中心的な役割を果たす。
    • 筋肉で生成されたグルタミンは、血液を通じて他の臓器(腸、腎臓、肝臓など)に窒素を供給する。
  3. 免疫機能
    • 免疫細胞(リンパ球やマクロファージ)の増殖や活性化に必要である。
    • 免疫機能が低下する状況(感染症や手術後)では、グルタミンの需要が増大する。
  4. 酸塩基平衡の調節
    • 腎臓でグルタミンが分解されるとアンモニアが生成され、尿中に排泄される。この過程により、体内の酸塩基平衡が調節される。
  5. タンパク質・核酸合成
  6. 抗酸化機能
    • グルタミンは、抗酸化物質であるグルタチオンの前駆体であり、細胞の酸化ストレスからの保護に寄与する。

栄養学的側面

  1. 条件的必須アミノ酸
    • 通常は体内で合成可能な非必須アミノ酸ですが、ストレスや外傷、手術後、感染症時には需要が供給を上回るため、外部からの補給が必要となる場合がある。
  2. 食品中の供給源
    • グルタミンは以下の食品に多く含まれます:
      • 肉類、魚介類
      • 大豆や豆類
      • 乳製品(ヨーグルト、チーズなど)
      • 全粒穀物
      • ほうれん草やキャベツなどの野菜
  3. サプリメント
    • 運動後の筋肉回復や免疫強化を目的として、アスリートや入院患者にグルタミンサプリメントが使用されることがある。
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