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グルタミン酸(Glu、E:Glutamic acid)

グルタミン酸(Glu, E)は、タンパク質を構成するアミノ酸の一つで、化学式は C5H9NO4 である。酸性アミノ酸に分類され、側鎖にカルボキシル基(-COOH)を持つため、生理的条件下では負の電荷を帯びている。グルタミン酸は、神経伝達物質としての役割を持つほか、エネルギー代謝やアミノ酸代謝において中心的な役割を果たす。

構造と性質

  1. 構造
    • グルタミン酸は、アミノ基(-NH2)、カルボキシル基(-COOH)、および側鎖としてもう一つのカルボキシル基を持つ化合物である。
    • 側鎖のカルボキシル基が酸性を示すため、グルタミン酸は酸性アミノ酸に分類される。
  2. 性質
    • 水に溶けやすく、極性が高い。
    • pHが中性付近では負電荷を持ちやすい。

生理的役割

  1. 神経伝達物質
    • グルタミン酸は、中枢神経系で最も重要な興奮性神経伝達物質として作用する。
    • 神経細胞間のシナプスで働き、学習や記憶の形成に関与している。
  2. アミノ酸代謝
    • グルタミン酸は、アミノ基転移反応の中間体として機能し、他のアミノ酸や代謝物の合成に利用される。
    • グルタミンプロリンアルギニンなどのアミノ酸の前駆体として重要である。
  3. エネルギー代謝
    • グルタミン酸はクエン酸回路においてα-ケトグルタル酸に変換され、エネルギー生産に寄与する。
  4. 窒素の輸送
    • グルタミン酸は、体内のアンモニア(NH3の解毒や輸送にも関与する。
    • 肝臓では、尿素回路でアンモニアを安全な形に変換するための材料として利用される。
  5. グルタチオンの前駆体
    • グルタミン酸は、抗酸化物質であるグルタチオン(グルタミン酸、システイン、グリシンで構成)の合成に必須である。

食品および栄養面

  1. 食品中の存在
    • グルタミン酸は、動物性・植物性食品の多くに含まれている。
    • 特に昆布や鰹節、チーズ、トマトなどに多く含まれ、これらの食品は「旨味」の主要な要因とされている。
  2. うま味成分
    • グルタミン酸は、五味の一つである「うま味」を形成する成分として有名である。
    • グルタミン酸ナトリウム(MSG)は食品添加物として広く使用され、旨味の強化に役立っている。
  3. サプリメント
    • 一部では、疲労回復や運動後のエネルギー補給を目的としてグルタミン酸サプリメントが使用されている。

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