グアニン(Guanine)は、プリン塩基に分類される有機化合物で、核酸(DNAやRNA)の基本構成要素の1つである。
1. 基本情報
- 化学式: C₅H₅N₅O
- 構造:
グアニンは、プリン骨格を持ち、イミダゾール環とピリミジン環が融合した化合物で、カルボニル基(C=O)とアミノ基(NH₂)を有する。 - 分子量: 151.13 g/mol
2. 生体内での役割
2.1 核酸(DNA・RNA)の構成成分
- グアニンは、DNAやRNAの塩基の1つとして機能する。
- DNAでは、シトシン(C)と塩基対を形成(G-C)。
- RNAでも同様にシトシン(C)と結合します。
- G-C間の塩基対は、3本の水素結合を持つため、A-T(またはA-U)塩基対よりも強固で、DNAの二重らせん構造の安定性に寄与する。
2.2 エネルギー代謝
- グアニンは、**GTP(グアノシン三リン酸)**の構成要素として、エネルギー供給および代謝制御に関与する。
- GTPは、タンパク質合成(翻訳)や細胞内シグナル伝達に重要。
2.3 シグナル伝達
- GTPは、Gタンパク質を活性化することで細胞内のシグナル伝達経路を調節します。
- GTP由来のcGMP(サイクリックGMP)は、血管拡張や光受容などの細胞応答に関与するセカンドメッセンジャーである。
3. グアニンの合成
- グアニンは、プリン塩基のデノボ合成経路やサルベージ経路で生成されます。
4. 関連疾患
- プリン代謝異常: グアニンを含むプリン塩基の代謝が異常をきたすと、痛風や高尿酸血症が引き起こされる可能性がある。
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